2012年10月5日金曜日

天然芝グラウンド

 先月行った前橋市には、国際交流市長杯の試合会場となっているものだけでも、確か三箇所は天然芝グラウンドが整備されていた。
 群馬県の中心都市と北足立郡北部地区を比較するのもなんではあるが、それでも1市対4市1町として、決して言い訳のできる環境差ではないとわたしは思う。

 北足立北地区の天然芝グラウンドでぱっと思い浮かぶのは、鴻巣市の陸上競技場だ。
 次は桶川市のごみ処理場隣のグラウンド。ここは何かの施設の屋上にあるので、ボール拾いがとても危険だった記憶がある。
 上尾市と北本市と伊奈町については、天然芝のグラウンドがあったのか、わたしの記憶では定かではない。
 あと、そうそう、鴻巣市の荒川河川敷に、手入れが行き届いているとは呼べないような天然芝の広場のような運動場があったはずだ。

 人工芝のグラウンドは、鴻巣市の上谷総合運動場にひとつあるだけ。

 こうしてみると、この地区では鴻巣市がサッカーに理解があるといっていいだろう。

 上尾高校のある上尾市が、サッカーよりも野球重視だというのは理解できる。上尾市にとっては、大事にしたいイメージなのだろう。「上尾といえば野球」というのは。

 桶川市と北本市には、率直に言って何もない。
 桶川市には本田飛行場があって、北本市には解脱会がある、と思っているのは地元の人間だけで、まあ今度圏央道が全線開通すれば桶川北本インターチェンジとして、多少は知名度が向上するだろうが、それでも特徴のない自治体、地域であることには変化はないだろう。

 ここはそれを逆手にとって、看板ではなく内容で勝負する行政に注力してはどうだろうか。言い換えれば、『穴場の自治体』として、リピーターを増やすことを考えて街づくりをするのだ。
 リピーターとは、この地域で生まれ育った人、仕事で一時期暮らした人をさしている。
 そういう人に「この地域で暮らしたい」と思ってもらえるような街づくりだ。

 効果的なのは、地域の人が気軽に参加できるイベントやクラブや自由さが、日常に転がっているような環境を整えること。
 あれやっちゃ駄目、これやっちゃ駄目、では、その枠の中にいる人は暮らしいいかもしれないが、その枠に入らなかった人にはストレスでしかない。

 昨今、ボール遊び禁止、ペットの同伴禁止、飲食禁止、そういう公園が増えていると聞く。そういう注意書きが増えることはあっても減ることはない、それが当たり前だという風潮を、この地域から変えて行きたい。
 何週間も前に予約しないと使えないグラウンドじゃなく、思い立ったら気軽に使える天然芝のグラウンドがたくさんある地域にしたい。
 手入れが大変だというなら、マシンで整備しようじゃないか。粉砕すれば、犬猫の糞だって肥料になる。芝刈りや草刈りが好きな人だって、実は大勢いる。あれって無心になれるから、すごくいいストレス解消になるし。
 公園の樹木や街路樹には、甘い実のなる木を植えよう。
 市の広報には、毎回季節の花の種を添付しよう。
 公用車には、楽しくなるようなイラストやデザインをほどこそう。
 民家の庭先や門には、防犯も兼ねて太陽電池のライトを付けよう。夜に真っ暗な街は怖いから。
 暗渠になっている小川を復活させよう。そして錦鯉の泳ぐ姿を見せよう。

 コストが掛かるから。一部の人しか使わないので不公平だから。役人や議員は、いつもそんなことを言って、なにもやらない。
 もっと困っている人がいる。それよりもまず弱者対策が先だ。とクレームをつけてくる大声の人たちもいる。

 それは確かに正論だ。
 でも思い返してみて欲しい。
 正論ばかり言ってたやつに、友達がいなかったことを。
 そんなやつがいた記憶はあるけど、だれも名前を覚えていないことを。

 木登りしたら危ないよ。これは正論だ。
 でもクラスのヒーローは、高い木に登っていった。
 そしてみんなから「どこまで見えた?」と質問攻めにあう。
 そしてヒーローは答えるのだ。
 「ずっと遠くまで見えたよ」と。

 どうか桶川市と北本市の行政を預かるポジションにある方々には、ずっと遠くまで見据えた政策で、この地域を育てて言って欲しい、と願う今日この頃なのでありました。


おわり

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