2011年6月15日水曜日

誰も異論封殺なんかしてないですよ。どうぞどうぞ。

2011年 平成23年 6月14日(火)
朝日新聞 朝刊 声
公務員に異論封殺 望まない
学習塾主宰 K.H(本紙面では実名記載)
北海道室蘭市 54歳

最高裁の「君が代」起立斉唱命令合憲裁判について、9日の声欄に二つの相反する意見が掲載されました。
1人は「君が代」起立命令の強制がもたらすむなしさを論じ、もう1人は命令服従は公務員の義務と書いていました。
こうして誰もが自分の考えを自由に述べ合えることはとても大事なことだと感じました。
意見表明の自由、その大事さから、私は異論を認めないことのむなしさを指摘する意見に理があると思いました。

命令遵守を当然とする論者は公務員を雇用しているのは国民だと述べました。
確かにそうですが、では国民すべてが「君が代」への敬意表明の強制を教育公務員に求めていると言えるでしょうか。
軍国主義の象徴だった経緯からその強制に抵抗感を持つ人は大勢います。
そうした人たちが意見を表明する自由は民主主義の礎となる基本的人権です。
国民の中にある異論は、公務員の中にもあると容易に推察され、そうした異論を強制によって封殺して無理に一つに束ねる必要があるでしょうか。

公務員には憲法遵守義務があり、誓約して職に就きます。
公務員が思想の自由を保障する憲法の下、良心に従って行動することが命令違反に問われる。
その事態こそ問題だと考えます。
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あの裁判では、誰もそんなこと言ってないのになあ。
ただ、大事な式典の際は秩序を乱すような行動を教員が率先してやるようなことしたらいけませんよ、ってことに過ぎない。
「いや、日の丸と君が代は『軍国主義の象徴』だったのだから特別なのだ!」という論についても、それを個人が信奉することも、表明することも、論じることも、どうぞご自由に。でも、学校の大事な式典、例えば入学式だとか、卒業式だとか、運動会だとか、そういう時に、教員が率先して混乱させるような行為は慎みましょう。大人なんですから。まして公務員なんですから、ってこと。

これでも納得がいかないようであるならば、ちょっと違うシチュエーションを想像してみると、「ああ自分は誤解していただけだったんだ」と気付くやもしれません。

[シチュエーションA]
右翼丸出しの教員が、学校視察に訪れた中国からの来賓への歓迎式典において、中国国旗を引きずり降ろした。

[シチュエーションB]
公立病院に勤務する医師がエホバの証人に入信したことを理由に輸血処置を怠り、患者に重大な合併症が生じた。

[シチュエーションC]
法律や義務に従わず職務を放棄した消防士とそれにまつわる悲劇を描いた道徳映画を、むかし学校で強制的に見せられた。

[シチュエーションD]
過去の人権問題や米国が関係する反戦活動には非常に熱心で、常日頃世界市民を声高に標榜するのに、でも今現在近隣諸国でなされている強制徴兵や市民弾圧やジェノサイドや言論封殺、奴隷的労働、人権軽視、には無関心な教員が我が子の担任となり、内申評価をすること。

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もし教師や学校が生徒に対して、「骨まで国旗国歌を愛せ! 嫌いになることは絶対に許さん!」として、もしそれに反抗したら停学とか退学にするっていう話なら、私も断固として戦います。でもこれって、生徒対象の話じゃないですよね。給与をもらって働いている大人の教員を対象とした話であって、それも別に個人の内面のことにまで触れてないですよね。それとも起立斉唱なんかしたら好きになりそうで心配ですか?



ね、わかりますよね?
ね?
わ、わかります、よね?
ね?
……
あのぅ──大丈夫ですか?

息、してますか?



【参照】
おおさかくんのご意見
さいこうさいちゃんのご意見


あしなが育英会 遺児奨学金「あしながさん」 継続寄付

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