御電通様が今春から日本でど~んと仕掛けようとプランを立ていろいろと仕込んでいた細工を徐々に働かせようとしていた矢先、年度切り替え期とも重なった大震災の影響で完全に計画練り直しとなったfacebookですが、発祥の地のアメリカではすでに一年前から「そうとうヤバめっぽい」という空気も流れはじめていたようで……。
このfacebookっていうサービスは、『行きは良い良い帰りは怖い』構造になってるらしく、参加するのも情報を書き込むのもとても簡単にできるんだけど、退会したり情報を修正・消去するのはかなり難しいみたいです。
このサービスを運営している会社がどうやって収益につなげているかに考えいたれば、それもむべなるかなと納得できるのですが(このコラムにある通り、売り物は『会員の個人情報および派生情報』しかないわけですから)、人事採用や交際相手調査に使われたり、はては性犯罪や窃盗・強盗の下調べにまで利用されているとあっては、「へえ、こんなの流行ってるんだ」で済ますわけにもいかないかな、とも思ったりもします。
そういえば、出会い系の温床となっていたmixiは、現在どうなっているのでしょうか?(オリジナルだったmyspaceはブームが終わったようですが)
私がフェースブックをやめた理由
Who Needs Friends Like Facebook?
プライバシー侵害の軌道修正は反省のフリをしているだけ。フェースブックにとってユーザーは「商品」でしかない
2010年05月25日(火)
ダニエル・ライオンズ
マーク・ザッカーバーグは謝罪したわけではない。それでも、人気ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェースブック創設者でCEO(最高経営責任者)でもある26歳の彼は、(微妙な)軌道修正を約束した。
きっかけは、フェースブックがプライバシー保護(実際にはプライバシー侵害)に関する方針を変更し、ユーザーの怒りを買ったこと。ワシントン・ポスト紙への寄稿のなかで、ザッカーバーグは無垢な少年のような口調で、「よりオープンでつながった世界がいい世界」であり、方針変更の目的は情報を共有しやすくすることだったと主張した。
さらにザッカーバーグは、ユーザーの怒りを鎮めるため、プライバシー管理設定を再度見直す予定だとも書いている。
この「見直し」は実際には大したものではないと思う。また、仮に大掛かりな変更を行ったとしても、私にとってはもう遅すぎる。
一連のトラブルが勃発したのは4月。フェースブックが行ったプライバシー管理設定の変更によって、より多くの個人情報がウェブ上に公開されることになった。さらに個人情報の一部はイエルプ、パンドラ、マイクロソフトなどの提携企業と共有されるという。
ITジャーナリストは一斉に批判の声を上げた。一部のユーザーはフェースブックを退会すると断言し、ヨーロッパやカナダ、アメリカの政府関係者も強く反発している。
フェースブックは「新方針そのものに問題はないが、説明不足だった」という馬鹿げた主張を広めようとした。それでも批判が収まらないと、ザッカーバーグは仲間と相談して、変更を撤回する道を模索。そして5月24日、複雑すぎる(わざと複雑にしているという指摘もある)プライバシー管理の設定をもっとシンプルなものに改善すると約束した(ちなみに、ワシントン・ポストのドナルド・グラハム会長はザッカーバーグの友人で、フェースブック役員でもある)。
◆本当の顧客は広告主?
これで丸く収まった? とんでもない。それでも、フェースブックが手の内を見せたことで、ユーザーは同社の本当の姿を理解できる。
フェースブックが突然、信頼に足る企業に生まれ変わると期待するのは愚かすぎる。同社はこの5年間、プライバシーに関する方針をたびたび改定してきたが、その方向性は常に同じ。そして、そのたびに同じ光景が繰り返される。
ユーザーが不満の声を上げると、フェースブックはまず時間稼ぎをする。そのうちに反論を始めたかと思うと、今度は深く後悔しているフリをして変更を撤回する──ただし、撤回するのは変更のごく一部。結局、以前より多くの個人情報が開示されるようになったままであることに、誰も気づかないようだ。そして、批判の嵐が収まると、また新たな変更が発表される。
要は、フェースブックは個人情報を必要としているのだ。同社のビジネスはそのうえに成り立っているのだから。
重要なのは、フェースブックにとってあなたは顧客ではなく商品だということ。真の顧客は広告主だ。あなたの存在が有用なのは、他のユーザーとセットにされて広告主に売られる商品だから。個人情報を多く開示するほど、あなたの価値も上がる。
2005年には、同社のプライバシーポリシーは1文だけだった(仲間以外の誰かにあなたの情報が共有されることはない、とある)。それが、今では憲法より長くなり、法律家でなければ解釈できない。
同社はなぜ、05年のシンプルな方針を変えてしまったのか。勝手な推測だが、私はユーザーではなく広告主の意向のせいではないかと思う。
◆それでもユーザーは増え続ける
もううんざりだ。私は登録を抹消した。これまでもヘビーユーザーではなかったから、別に困らない。多くの人々が同じように退会した。IT企業の幹部である友人からは、こんなメールが来た。「自分や友人のプライベートが公開される仕組みにぞっとする。今ではあまりフェースブックにアクセスしない。信用できないから」
注目すべきは「信用できない」というフレーズだ。フェースブックが常に私たちユーザーを騙してきたから、という意味だけではない。企業経営のいい加減さという点でも、同社への信用は崩れようとしている。
わずか数週間前、同社の広報・公共政策問題の責任者エリオット・シュレージは私の取材に対して、ユーザー個人のデータを広告主と共有することはありえないと語っていた。だがその一週間後、データを共有していた事実が明るみに出た。シュレージが嘘をついたとは思えないから、不注意で情報が流出したのだろう。そのほうが、いっそう恐ろしい。
もっとも、私や友人が怒りまくっているからといって、フェースブックが傷つくことはない。今年の収益は推定10億ドル。4カ月前に4億人だったユーザーは、いまや5億人に達する。
大半のユーザーは一連の騒動を知らないし、知っていても気にしない。フェースブックが大好きで、毎日何時間も費やしている。
今回のスキャンダルも、同社にとっては新規株式公開(IPO)で巨万の富を手に入れる道のりにおける、ほんの小さなつまづきにすぎないのだろう。
すべては、世界をよりよい場所にしたいと願う素直で理想主義者の若者のしていること。お友達が所有するメディアを使ってお決まりの声明を発表する少年が、すべてを動かしている。ああ、なんて心温まる話だろう。
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今の自分には気にならないことであっても、未来の自分にとってはものすごく気になることになっちゃうってこともあるんですよね。『後悔先に立たず』ってやつですね。
でもその一方で、不確定な将来リスクをあまりにも怖がるあまり、“今”さえも怖がってしまうっていうのも、本末転倒なんですよね。『塞翁が馬』ってこともありますし。
最近の子の名前は個性的なのが多いですから、検索一発で過去情報がずらずらってことも少なくないので、就活や婚活がうまくいかないのは大昔に本人がネットへ書き込んだ所業(しょぎょう)が原因だった、なんてことにならないよう、親御さんたちは、小学生くらいからネットの利便性とリスクについての基本は教えておいた方がいいと思いますよ。その際は、ただ「ネットは怖いから近づくな」ではなくて「ネットの仕組みはこうなっている」という説明の仕方が望ましいように、私は思います。たとえば、今回紹介したコラムの内容を噛み砕いて、タダでサービスを提供しているネット企業はどうやって儲けているのか、とか、一度ネットに拡散した情報が二度と消せないのはなぜなのか、とか、そういうことを、実際に誰かの名前で検索したりしながら(ただこれは、あとで自分のことを検索されるかもしれないという両刃の剣)説明してあげれば、感覚的に理解してもらえると思います。
ネットはとっても便利です。
でもそれって、自分だけにとってじゃなくて自分以外の誰かにとってもそうなんですよね。
※faceblue(blueface;blue in the face げっそり顔)
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