2011年1月20日木曜日

基本横向きでお願いします。

バルセロナの育成コーチにどこかの日本人コーチが「どうすればイニエスタのような選手を育てられますか」と質問したら、「うちに来る前からイニエスタはイニエスタだった(つまり、育てられるものじゃないという意味)」と諭(さと)されたそうだ。
そりゃあそうだろう。もしどうにかして育成できるのなら、バルセロナはイニエスタだらけになってしまうのだから。

石ころをダイヤモンドにすることはできないと言われてしまえば身も蓋もないのだが、石ころであってもダイヤモンドの真似をすることはできる。

手はじめに、こんなところからはどうだろう。

姿勢の基本その1 「前に敵が見えたら横を向く」
姿勢の基本その2 「前に誰もいなければ前を向く」

以下の動画を見て欲しい。
足元のボール扱いにばかり目が行ってしまいがちになるが、もうちょっとその上、そう体の向きに着目すると、ある動作に気づくことができる。
二人とも(特にシャビはわかりやすい)、相手が前にいないときは体を前に向けているが、離れていても前に敵がいるときは、プレッシャーを受けるずっと前から横を向いてしまっている。

シャビ(現地発音:チャビ)・エルナンデス


アンドレス・イニエスタ




これはサッカーにおける姿勢の基本のひとつだ。

よく練習で、真正面にいるDFへまっすぐ正対して突っ掛けていくような形の1対1をやっているが、実戦でああいうシチュエーションになることはあまりない。というか、ほとんどない。
それに、抜くドリブルと、かわすドリブルと、キープするドリブルにはそれぞれ異なる「感覚」や「意識」が必要になるのだが、それ用の練習にも、上記のような形式の1対1はなっていない。
ただただ、昔からやっているから、というだけの練習であるように、私には思える。
まあどういうドリブル・トレーニング・メニューがあるのかは、また別の機会があったときにでも紹介することにして、今回は「姿勢の基本」を習慣づけさせるトレーニング・メニューを2つ紹介したい。

その1
一人一つボールを持って複数人でゴチャゴチャになっている中をドルブルする。
その時、進行方向に誰かがいたら(離れていても)、九十度転回して前進。これを続ける。
ボールや体が誰かと接触したら、何か罰ゲーム。あるいは退場。

その2
ミニゲームをしている最中、コーチが「前に敵がいたら横を向く!」と絶え間なく指示を送る。
特に混戦状況になって、子供たちがパニックになっているとき、あせっているとき、こういうときに「まず横向き!」と間髪入れずにタイミング良く声をかけてあげると効果大。

プレミアでもセリエAでもリーガでもいいのだが、ちょっと意識して観戦すれば、これが基本中の基本だということがわかって頂けると思う。

「うちの子たちは、すぐに焦っていらないミスをするんだよなあ」とお悩みをお持ちなら、まずこの辺から取り組んでみるのも悪くないと私は思います。



おわり

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