2011年1月17日月曜日

ポジショニング感覚を養うとは


ポジショニング感覚を養うとは



『一朝一夕にはいかない』


で、
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ではいいポジションを取るためにはどのような練習をすればいいのかとなるのだが、
それはまた、別の話。

To be continued.
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と書いておきながらすっかり忘れていたので、今さらながらその続きを書く(これで許して下さい)。


サッカーには正解はない。
その他方で、ポジショニングに理論は存在する。理論はあるのに答えはないというのも妙な話なのだが、サッカーとはそういうものなのだから仕方がない。
ヨーロッパで「戦術」と呼ばれているものも、煎じ詰めればこのポジショニングについての理論を意味している。
このポジショニングについての理論は、サッカーというものをどう捉えているかという哲学に基づいて構築されるので、その哲学が異なれば当然理論も異なり、結果として監督やチーム、国ごとに個性的なサッカーが生まれてくる素地になっているのだ。

またポジショニングの最適解というものは、理論という公式が変わらずとも、その関数に入る状況や個々の選手によって違ってくる。
こうした面からも、「正解はない」ということが理解できるだろう。

理解できれば誰でもそう思う通り、ポジショニング・トレーニングにおいて、「おまえの位置はここだ!」的な「答えを叩きこむ」ような指導方法は、百害あって一利なしだ。その答えが正解であるのは、その監督のそのチームのその練習においてだけなのだから。

こうしたトレーニングでは、その監督のサッカーが明確にできあがっていて、そういうチームを作るときだけ意味がある。例えばプロのチームであったり、フル代表のチームだったり、絶対に勝たなければいけない大会の直前などだ。
逆に言えば、それ以外の場合では、こんなトレーニングをしてはいけない。小学生などの若い選手を育成する段階では特にそうだ。

育成期であり、チームをこれから作っていこうかという段階の前段階で私は、「ポジショニングというものがあるのだ」という「感覚」、「自分がピッチ上でどこに位置しているのか」という「感覚」を体に覚えさせるようなトレーニングを、ぜひお奨めしたい。

これに最適なトレーニングメニュー例をひとつ紹介する。

【ラグビールールのゲーム】
(スローインとフリーキック以外は前の味方へのパス禁止、全部オフサイド)
前進する手段は、「ドリブル」「裏へのパス」、もしくは「敵ボールを“前で”奪う」かの3つしかない。

このトレーニングの目途を三つあげれば、
第一に、『攻めるためにフォローする』という感覚(自分の位置を把握して修正する習慣・クセ)を身につけさせること。
第二に、前進するにはドリブルか裏への走り込みという状況に追い込むことで、『誰かがやってくれる』『消極的』感覚を捨てさせる。
第三に、『フォアチェック即攻撃』という切り替えの早さがチャンスを生むことを楽しく覚えさせる。
といったあたりになるだろうか。

前進手段は3つしかない、と書いたが、実は、高等戦術として、もうひとつある。
それは、わざと相手にパスし、それをチェックするという戦術だ。肉を切らせて骨を断つ戦法だ。
これはこのトレーニングゲームを一層面白くしてくれる。慣れてくれば当然敵もそれを読んで、対応してくる(例えば、チェックが来そうなら、触らないでアウト・オブ・プレーにしてしまうとか)からだ。
★また、最初にこれらに気づく子はサッカー脳が優秀だと推察できる。

数年前からポジショニング練習として一部で取り入れられている、ボールを手で扱うハンドボール風ミニゲームは、率直に言ってウォーミングアップや気分転換以外の効果はないだろう。
ボールを手で扱うことと、足で扱うことは、視界や脳神経や体の使い方からして、いやもっともっと根本的なところで決定的に異なるからだ。そんなことはハンドボール部の選手にサッカーさせてみればすぐにわかるのだが、騙されやすい人は、そういうことも考えられないくらい頭がかたい人なので、たぶん説明してもわかってはもらえまい。う~ん、残念無念。


まあ今度は私に騙されたと思って、機会があったら試してみて欲しい。


今回はこんなところで。

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