2011年2月16日水曜日

経(米悪い)読(トヨタ悪い)朝(日本悪い)

2月11日の社説に見る各社の姿勢

【結論】
日経→アメリカ政府反省せよ
読売→トヨタ反省せよ
朝日→日本企業全体反省せよ

****************日本経済新聞社説********************

米の公平さ疑うトヨタ騒動
2011/2/11

 「トヨタ車」で不具合が指摘されていた電子制御システムの問題を巡り、米運輸省が「欠陥はなかった」とする最終報告を発表した。トヨタ自動車の主張が認められた。

 調査には米航空宇宙局(NASA)も加わった。専門家の調査で安全性が確認されたのは歓迎すべきだ。だが大規模リコール(回収・無償修理)が起きた1年前の騒ぎは何だったのか。理解に苦しむ点もある

 争点はトヨタ車で多発した「予期せぬ加速」の原因だった。トヨタは当初、「フロアマットに純正品を使わなかったのが原因」とし、リコールに消極的だった。それが米国民の不信を買い、結局は800万台近い車をリコールした。

 関連する費用は2011年3月期決算まで2年続けて4000億円近くに達するが、初動での至らなさを考えれば仕方がなかった。あまりにも急激に生産や販売のグローバル化が進み、動きが鈍くなっていた。

 しかしリコール問題の焦点が電子制御の安全性に移ってからは、米国政府の対応に問題があった。昨年2月、米テレビ局が電子回路の一部を傷つけてショートさせるとエンジンが加速する様子を実演し、放送した。それをきっかけに、今度は電子制御装置が急加速の原因ではないかと公聴会などで疑われだした。

 結局は、映像に編集上の問題があったことが判明したが、米運輸省のラフード長官は当初から「トヨタ車には乗らない方がいい」と踏み込んで発言した。長官は8日の記者会見で「当時は電子制御に問題がないと言っても議会が納得しなかった」と弁明し、発言を撤回している。

 米政府は原因の調査を尽くした。だが急加速の原因がはっきりしない段階から、監督する官庁のトップが企業名を挙げて「乗るな」というのは、公平でなかった。軽はずみな発言で「トヨタたたき」を必要以上にあおり、トヨタの米国での新車販売にも影響を与えた。

 ゼネラル・モーターズ(GM)の再建や中間選挙などを控え、政治的には難しい時期だった。とはいえ企業は本来、公平・公正な条件下で競い合うべきであり、その土俵を整える役目を担う米政府に行き過ぎがあったのは納得できない。

************************************

*****************読売新聞社説*******************

トヨタ安全認定 国際企業に残された重い教訓
2月11日付・読売社説

 全米に吹き荒れた「トヨタたたき」は、おおむね収束に向かうだろう。だが、傷付いたブランドイメージの回復は道半ばである。

 トヨタ車が運転中に急加速するとされた問題で、米運輸省が最終報告を発表した。原因として疑われた電子制御システムに「シロ判定」を下した。「欠陥はない」とするトヨタの主張が全面的に認められたといえる。

 しかし、問題の発生当時、米当局への報告が遅れるなど、トヨタの動きは鈍く、安全性に敏感な米国の消費者の反応を見誤った

 企業にとって、自社製品の品質管理は最優先課題である。対応を誤れば、長年かけて築き上げてきた信用も一瞬で崩れ去る。トヨタは、こうした点を今後の経営の糧としなければならない

 トヨタ車に対する苦情が米国内で相次いだのは、2009年ごろだ。自ら調査した結果、トヨタはアクセルペダルなどの不具合を認め、800万台のリコール(回収・無償修理)に追い込まれた

 焦点となっていた電子制御システムは、米国で販売されているすべてのトヨタ車に使われている。欠陥が認定されれば、米国での生産や販売への打撃は計り知れないものとなったに違いない。

 米当局が安全性にお墨付きを与え、疑念がさらに広がる事態を避けられたことは、トヨタにとっては朗報である。

 一方で、トヨタ車の保有者が「リコールで車の価値が下がった」として損害賠償を求める集団訴訟は各地で続いている。最終報告はトヨタに有利に働こうが、訴訟の行方は予断を許さない。

 米国での業績不振も続いている。昨年の米新車市場は主要各社が揃(そろ)って前年比プラスを確保する中で、トヨタだけが販売台数を減らした消費者の不信感が払拭されていないということだろう。

 米国の議会や政府、メディアは一時、激しいトヨタ批判を展開した。急先鋒(せんぽう)となったのは、米自動車大手の拠点を選挙区に抱える議員たちだ。10年の中間選挙を控え、トヨタ追及を政治的に利用しようとする狙いは明らかだった。

 最終報告を受け、米紙は「ヒステリーを起こした米議会は責められるべきだ」と批判した。こうした議員らには、大いに反省してもらう必要がある。

 ただ、グローバル企業にとって、文化の違いなどから国内では想定しがたいリスクがつきものである。それを再認識することが、トヨタ問題の教訓となろう

************************************

*******************朝日新聞社説*****************

「トヨタ安全」―リコール騒動の重い教訓 喜ばしい結果だ、というだけではすまない。関係者はもちろん、多くの人々が共有すべき教訓がある
2011-02-11

 トヨタ自動車の屋台骨を揺るがし、1年前には豊田章男社長が議会公聴会に呼び出される事態に至った米国での製品トラブル。その中で最後まで調査が続いていた電子制御システムに絡む急加速の疑いについて、米運輸省が「シロ」の判定を下した。

 システム解析で欠陥は見つからなかった。多くの急発進は、運転席のフロアシートがアクセルペダルに引っかかるという別のトラブルか、運転手のミスによるものだという。

 アクセルペダルはリコール(回収・無償修理)ずみなので、巨額の民事訴訟などは残るが、一連のトラブルはひとまずケリがついた格好だ。

 品質の良さで米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)を抜き世界のトップに立った矢先のトヨタは、ブランドイメージに深手を負った。米当局が電子制御にお墨付きを与えたことが失地回復への追い風にはなろう。

 しかし、米当局の対応は振幅が大きかった。今後の安全行政にとって生かすべき点は少なくない。

 例えば、疑惑報道で持ちきりだった昨年2月、米議会でラフッド運輸長官が「私の忠告はトヨタ車の運転をやめて販売店に持っていくことだ」と述べ、運転できないほど危険な欠陥なのか、との不安を広げた。

 後に訂正したものの、この発言はトヨタの信用を失墜させる破壊力も大きかった。今回の「シロ」発表で長官は手のひらを返したように「私の娘もトヨタ車を買った」と語り、修復に配慮する姿勢を示した

 このような大きなブレは、米当局の姿勢に疑問を抱かせる。当時はGM再建に米国民が期待を寄せているさなかで、中間選挙を控えた時期でもあった。米メディアを中心とした過熱報道もあり、安全性をめぐる冷静な議論が見失われがちだった。

 電子制御という新しいシステムの安全をいかに迅速に確認するか、という課題も浮き彫りになった。

 トヨタにとっての教訓も重い。トラブルが発生すれば情報の洪水が世界を駆けめぐる。対応が鈍かった根本原因は、日本の本社に権限が集中しすぎていたことにあった。反省を踏まえ、安全対応への判断などについて海外拠点の発言権を大幅に拡大した。

 世界のトップに立つと、批判の矢面にさらされやすい。トヨタでもなお「グローバル経営」というには課題が多いということだろう

 多くの企業が新興国を含む世界市場へ改めて打って出ようとしているいま、トヨタが直面した問題は、脱皮しようとする日本の企業すべてが我が事として考えるべき教訓に満ちている。

************************************

情報というソフトそのものを売って商売にしている新聞社こそ、真っ先にグローバル化できそうなのに、なぜやらないのか。
社員の中に、英字新聞・サイトを読める程度の語学力もないような記者なんて、まさか、いないよねえ。
御社様方の生産する新聞文と一緒で、構成や登場する単語や文章表現は数パターンしかない(時々の固有名詞が異なるだけ)んだから簡単でしょ。
ね。

0 件のコメント:

コメントを投稿