2011年2月9日水曜日

少年サッカーチームに4300万円あげます。

小中学時代にプレーをしたFCシルフィールドは36万ユーロ(約4300万円)を受け取る。

アーセナルからフェイエノールトにレンタル移籍した宮市亮が、いきなり先発フル出場を果たした。稲本潤一を皮切りに、森本貴幸、宇佐美貴史など、ユース育ちの高校年代の選手がJリーグで活躍した例はあるが、高卒選手がそのまま海外トップリーグでスタメンデビューを果たしたのは初めてだ。この間まで高校選手権でプレーをしていた選手が、一気にオランダのトップクラブでフル出場を果たすのだから、日本が抱える素材は、この国の指導者や関係者が考える以上にレベルが高いということになる。

さて宮市がオランダのクラブと契約をした時点で最低5000万円近い年俸が約束され、彼が12歳以降に在籍したチームには、1年間につき9万ユーロのトレーニング費用が支払われる。つまり中京大中京高校は27万ユーロ(約3200万円)、小中学時代にプレーをしたFCシルフィールドは36万ユーロ(約4300万円)を受け取る資格を得たわけだ。

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一人4300万円。それが少年サッカーチームに入ってくることを考える。
Jリーグもこのシステムをいずれ導入せざるを得なくなる。
ただし、オランダのこのシステムは、12歳以降、つまりジュニアユース以降の所属チームが対象だ。
プロチームの下部以外の育成組織を支援することが目的のシステムなのだろうから、プロチームの下部組織にはこうした支払は行われないだろう。
日本の特殊性を考えると、日本への導入の際は、支払対象がジュニア世代の所属チームにまで拡大されるかもしれない。
いや、きっとそうなる。
このシステムが導入されれば、「うちが育てた子を盗まれた」「育てた恩を仇で返すのか」そいうバカバカしい、実にバカバカしい、教育の面からも、日本サッカー界にとっても、そして人間性の器の尺度からも、のちのち自分の人生を振り返った時のことを考えても、本当にバカバカしい、みみっちいねたみや争いは雲散霧消するだろう。

アジア極東のサッカー弱小国のそのまた育成年代の何かの大会で優勝したことを示す、色あせたちっこいトロフィーの数に執着するよりも、ヨーロッパで活躍している卒団生がフェラーリに乗って練習場を訪れ、後輩たちとボールを蹴ってくれる、そういう一瞬を体験できる可能性を信じている指導者・経営者そして親御さんの方が素晴らしい、と私は確信している。

高い空へ向かって飛び立とうとしている子どもの足を大人が引っぱってど~すんのよ。


【補足】
トロフィーの数に執着するのはバカバカしいと言っているのであって、勝利に執着するなと言っているんじゃないってことは誤解のないように。
私は、勝利には徹底的にこだわるべきだと思っているし、そうしないと子供たちの最大能力は引き出せないと確信もしています。
負けてへらへらしてる子、すぐあきらめてしまう子、そんな子にしない為にも、絶対に勝負にはこだわるべきです。大人がそうした姿勢を見せることで、子どもにもそれが伝わると確信しています。
目の前の勝利には異常なまでに、それこそ命がかかっているくらい激しくこだわるが、トロフィー、つまり過去の勝利・栄光にはまったく無頓着、こだわらない、どーでもいい、そういうのが私の理想とするサッカー選手・コーチのスピリッツです。

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