2011年2月3日木曜日

高砂屋の終焉

桶川の老舗書店である高砂屋が2月20日(日)で店じまいすると聞いた。

桶川東口にある桶川駅通り店、桶川西口のおけがわマイン店、そして北上尾東口PAPA上尾店も閉め、今後は教材だけを扱うようになるとのことだった。
これで桶川市内から、参考書や図鑑や辞典やビジネス書、文芸書の新刊を手にとって選べる書店が消滅した。
桶川市には、書籍取り次ぎ大手のトーハンがあるが他にもいくつか出版関係の拠点がある。



トーハン桶川SCMセンター

講談社桶川流通センター

光文社桶川流通センター

東京創元社@桶川



言ってみれば書籍流通のハブ地点である桶川市から、新刊を幅広く扱う総合書店が消滅するというのもなかなかシュールで面白い。

まあ、マンガコーナーが幅をきかせるような店構えになったあたりから、街の書店の命脈が尽きつつあるのはわかっていたから、こういう日が来ても驚きはしないが(いや、ライバル書店だったバオバブのふがいなさに比べれば、高砂屋はむしろよく踏ん張ってくれた方だと思う)、桶川市の子どもたちが知的刺激を受ける機会が減ったことは間違いないので、その点だけは残念だと思う。

ネットにしろ、図書館にしろ、「目的」があって「探す」場所であって、「意図しない出会い」によって自分の知的世界が広がっていくような「偶然」が起きる場所ではないから、街の本屋さんの代替手段にはなり得ない。また、自分でどんどん勉強を深めていこうとするような子が、立ち読みで勉強できるような場所にも、ネットや図書館はならない。遊びと遊びの合間(あいま)だったり、電車や友だちを待つ暇つぶしに、タイムラグなしに情報と接することができないと、運命的な知的発見にはつながらないからだ。

結局のとここれからは、ほとんどの桶川の子供たちの貴重な「頭の柔らかい時期」の時間が携帯の無料ゲームに消費されていくのだから、どーなのかなあって思わないでもない。

こういう事態になってみると、国道17号沿いにブックオフの大型店があってよかったと思う。
あそこがなかったら、立ち読みで本を選べる場所が皆無になってしまっていたから。
万事塞翁が馬、だね。


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