2010年4月27日火曜日

確率加重と少年サッカー

100枚買おうが1枚だけだろうが、宝くじの当たる確率に大差はない。

年末ジャンボ宝くじの発売枚数を、計算しやすく10億枚弱とする。
うち、当選金額が億を超えるものは、1000万枚に3枚強。
ということは、確率10億分の300となる。
この確率は、中国人の中にいる善人と出逢う確率より高く、インド人の中にいる毎日髪を洗う人とであう確率よりも高い。
しかし、埼玉スタジアムがほぼ満員(およそ6万人とする)となる試合が167試合あって、その中から3人選ばれる確率と同じでもある。
リーグ戦を34、カップ戦を6、そのうち半分がホームだとしても、年間20試合。
つまり満員を9年続けてようやく観客の中から3人に、当たりくじが渡る計算になる。

100枚買うと、17試合(つまりリーグ戦の年間ホーム試合数)満員で、そのうちの3人となる。

確かに9年より1年の方が短期間だが、じゃあずっと当たりやすいのかと聞かれたら、私なら「まあどっちも当たらないね」と答える。

でも...誰かが当たってるんだから、自分にだって当たるかもしれない...。


こんな風に、実際の確率よりも個人の思い込みや根拠のない予想を重く見てしまうことを「確率加重」という。

自分のチームにだけ奇跡を期待するのも、確率加重の効果だと言える。
あるいは、セットプレーから失点することが多いのに、それを見ないことにして自分が使いやすい選手ばかりでチームを組むような愚行も、本来なら高い確率をご都合主義で低く見積もる確率加重である。
ちなみにどちらも、ノータリン岡ちゃんジャパン(私はあのチームに日本とかジャパンという呼称を使用することに、とても腹を立てている。ちゃんと「岡田武史選抜」と呼ぶべき)のことを指したわけではない。似てしまったのは、たまたまの偶然である。

自分にだけ都合のいい幸運を期待する人間を、私は「楽天家だね」とあたたかく見守る。
自分だけ運悪く不幸に見舞われることを心配している人間には、「考えすぎだって」と肩に手をあてる。

あなたが何を期待し、あるいは何を心配したとしても、そのことが起きる確率には、一切、まったく、これっぽっちも、影響しないんだよ、と教えて上げたいけど、それを言ってしまうと、冷たい人と言われそうなので、私は言わない。


少年サッカーに関わる大人の皆さんには、妙な確率加重によって、子供たちを責めたり、プレッシャーに晒したりすることのないよう、お願いしたい。

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