2011年4月14日木曜日

ダーチャを趣味に!

ダーチャとはロシア式の別荘だ。
しかし、私たちが一般的に理解しているそれと、ロシアのそれは大きく異なる。

ほぼすべてといっていいくらいのロシア人家庭が所有する「ダーチャ」は、家から郊外の方に1時間~数時間離れたところにある。本来は各家庭が自給するための国から配給された農地であって、それがまあ社会主義国家の“実態を考えない机上の理想”から外れることなく、自家用車もないのにすごく離れた場所にあったものだから、仕方なく寝泊まりできるくらいの作業小屋をトンテンカントンテンカン自作しているうちに、それが住農一体の郊外別荘文化として定着したものだ。

だからぬるま湯生活に浸りきった私のような日本人の考える“別荘”とは一味も二味もどころが、「お前なあ、なめんなよ。ワケが違うんだよワケが」と鼻先に指を突きつけられるくらいに、コンセプトが違うのだ。


ダーチャの基本は“掘っ立て小屋”だから、電気や水道がない(ある場合もある。けど大抵は、ない)。
電話もない。
建物・施設は自分たちの手作りが常識。

ロシア人はそこで、夏のバカンスを過ごしたりする。
別荘での避暑と聞いて、『軽井沢でのテニス』みたいなイメージはロシア人にはない。
別荘での避暑=『ダーチャで自家農園生活』というのがロシア人なのだ。

※ただし、ウルトラリッチなロシア人(例えばアブラモビッチ氏)は、ダーチャ文化といってもそのスケールが違って、街そのものを造ってしまったりしている

今回の大震災みたいなときの避難施設機能を考えれば、電気・ガス・水道・電話といったライフラインが途絶えた状態でも生活できる環境を整えておくことの方が、目的にかなっているのだからこれでOKなのだ。

でもって、間違いなくダーチャは楽しい。
きっと、ダーチャを作っていく過程が、ものすごく楽しいはずだ。秘密基地っぽいし。
なので、非常時の避難所にもなるダーチャを趣味にしましょう。


住と食が結びついたペチカのある暮らし

過去に食糧難を幾度も経験したロシアでは、ブレジネフ時代に、国策として自給自足を打ち出した。80年代からは、家庭菜園付きの別荘として、国民の約8割がダーチャを所有している。まあ、場所を選べないから、車のない人には利用しにくいという不備もあるけど、無料で国から貰えるのよ。 (中略)ダーチャが飢えを救ったというのは、実際、その通りだった。本来のダーチャは、国民の大半がタダでもらえる平均600平方メートルほどの畑。普通は、住居から20~30分の距離にあり、週末に通う粗末な小屋があるくらい。
(中略)庭にはリンゴの大木があり、畑には、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャ、ニンジン、ハーブなどが育っていた。夏になれば、イチゴ、スイカ、ブルーベリー、ラズベリーもたくさん実をつける。短い夏の間に収穫したものは、酢漬けや塩漬け、ジャム、ジュースに加工したり、冷凍したり、何でも冬まで保存。まめな人なら、現金を出して買うのは、肉や魚、牛乳くらいで済むらしい。
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