2011年4月8日金曜日

8人制観戦の楽しみ方。

8人制となった全日本少年サッカー大会観戦での、これまでにはなかった楽しみについて考えてみる。

まず今回から複数チームのエントリーが可能となった点に注目したい。
11人制の時でさえ、どのチームも優秀なゴールキーパーの確保に苦心していたのだから、それが2チームエントリーともなれば、セカンドチームのゴールキーパーのレベルは推して知るべしだ。

☆まずはGKのレベルをチェック!

もし相手のGKが問題を抱えているようならば、私なら強引であっても積極的にシュートを狙わせるし、こぼれ球には必ず詰めることを徹底させる。ピッチも狭く、DF人数も少ない8人制で、GKまでも問題ありとなれば、シュートをガンガン打つのが第一選択となるのは必然だろう。
サイドからセンタリングを上げてヘディングシュートを狙うとか、キック&ラッシュで押し込むとか、そういう場面は確実に減る。その一方で、コーナーキックやフリーキックからの得点は倍増するだろう。なにせ、ルールで「キックオフからのゴールインは、相手ゴールキックで再開」と決めなければならないような広さのピッチで行うのだから。

次に、ベンチワークを見る。
選手交代について積極的か消極的か、そこに注目だ。
新ルールでは、選手交代の手続きが簡素化されている。交代用紙なしのまま、主審の確認了承なしで好き勝ってに(GKは別)交代できるはずだ。

☆選手交代のベンチワークを見る!

疲労というものは、いったん疲労を感じてしまった後よりも、疲労を感じる前に休息を取る方が蓄積しない。だから、疲れる前のまだ全然元気バリバリ、というタイミングで積極的に交代させる方が、一試合での選手のトータル運動量は多くなるし、連戦となっても消耗が少ない。指導スタッフの中に体育大学出身者などがいればこの辺の知識もあるだろうが、そうでないと、いままでのように「疲れるまで使い続けて、疲れて足が止まってからようやく交代させる」なんてことをやってしまうかもしれない。
また『交代の仕方』をどうしてくるのか、そのあたりを見られるのもワクワクだ。
アイスホッケーのように、プレー時間を決めて、システマチックに交代させるチームが勝ち残るような気がするが、どうなるだろうか。
システマチックに交代させるにしても、1人ずつ交代させるのか、数人のセットを作ってセットごと交代させるのか、そのあたりも面白くなりそうだ。このあたりを考えると、これまで以上にコーチの能力が試合展開に影響することになるルール変更だと言える。

ピッチが狭くなって、人数も少なくなれば、ディフェンスはマンマークにならざるを得ない。
フルピッチの時は、ボールから遠いサイドを空けることで守備の人数を余らせて、1対2の形でディフェンスすることができた。しかし8人制ではピッチが狭くて「遠いサイド」が存在しないので、誰かがマークを外せば、そのマークの外れた相手選手は即シュートを狙える最も危険なフリーの選手になってしまう(まあ限度はあるけど、基本的にはそうなる)。

☆1対1でのミスマッチをさがす。

この1対1は7割方○○の方が勝つな、なんてことがわかると、それに対して選手たちやベンチがどう対応してくるのかが見ものだ。

8人制では裏を取られたら失点の可能性が非常に大きくなる。シュートエリアまでの距離が短いので、DFが追いついている時間がないからだ。
その一方で、遅攻でボールを回されて、自陣ゴールそばからのスルーパスやポストプレー、あるいはドリブルでの切り込みというのもかなり効果的だ。その理由も上と同じで、それはたとえ遅攻であっても、自陣から相手陣へ侵入するまでの距離が短いことにある。フルピッチでの遅攻だと、相手陣に入るまで5~8本のパスが必要だったのに、8人制ピッチだと3~5本で可能だからだ。

☆最終ラインをどこにするのか。

となると、DFの最終ライン(GKとの間隔)をどうするのかが、非常に重要となってくる。
相手ボールとなった時、すぐプレスに入るのか、あるいはいったん自陣の決められた位置まで戻るのか、そのあたりの作戦をどうしてくるかなんていうあたりは、これまでなかった楽しみだろう。

8人制だと、ドリブル機会が増える(フィールドプレーヤーの人数が減ってコースの選択肢が減る上に、ピッチが狭くなるために距離も短くなる「パス」は、インターセプトされやすくなるのでリスクが高い)ので、11人制のときはあまりドリブルをしなかったような選手であっても、ドリブルする姿をみることができるようになる。

☆ドリブルの個性がわかりやすい。

ドリブルには個性が出るので、そのあたりを見るという楽しみが増すだろう。


まあ、大まかにざっと書き出せば、こんなところだろうか。

私は、「サッカーはイレブン派」なので、歴史も伝統もある全国大会はこれまで通り11人、育成のために8人制の公式戦を取り入れたいなら、むしろ5年生以下の4種リーグみたいなのでやればいいと、今でも確信している。
しかし、もう始まってしまうのだから、これはこれで存分に楽しみたいと思っている。

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