2011年3月1日火曜日

親が一番わかってないと!

先日の『0円移籍』に絡んで「育成補償金」に触れた記事に続いて、また朝日新聞がすばらしい内容を報じてくれた。


こうした事を多くの人、特に育成年代の子供にかかわる大人たちが知ることで、日本のサッカー界の現状が打破されることを切に祈るものである。

【大きな誤解】
大会で上位常連のチームが、すなわち育成の面で優れたシステムではないということを、サッカー少年少女を持つお父さんお母さんは正しく理解すべきだと思う。
それはとても勇気のいることだ。でも必要なことだから。

東京大学受験に例えれば、受験の名門校へ入ったから成績が伸びて東大に合格したのではなくて、元々成績の良い生徒が集中するので東大合格者数が多いのだ。東大への合格は、得点ではなく人数で切られるのだから、合格可能性のある生徒を多く抱え込んだ高校の生徒が多く合格するのは当然の結果だ。

街中から駆け足の速い子を集めて、市内大会で上位を独占したとして、はたしてそのスポーツクラブの育成能力が高いと言えるだろうか?
同じことがジュニア世代やジュニアユース世代で起きていないと思う人がいたら、その人はそうとうおめでたい。

っていうか、大人は子供たちのサッカーに対して「キーキー」なるよりも「ワーワー」とか「ワイワイ」楽しむ姿勢で接するべきだ。
そしてその方が、間違いなく子供たちもサッカーを楽しむことができるし、その結果として才能のある子はぐんっと伸びることができるし、才能のない子もサッカーを愛することのできる人生を手にできるだろう、と、私は確信している。

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2011年(平成23年)3月1日【朝日新聞】

〈20年目の風 Jリーグ熟考:上〉ぬるま湯の育成 さらば


 日本のアジア杯優勝で、気を引き締めた人がいる。上野山信行・Jリーグ技術委員長は「日本代表選手を多く育てているのは高校の先生たち。我々Jリーグによる育成は指導力に課題がある」と語った。

 中高時代をJリーグのユースチームで育った日本代表選手は、増えてはいるがまだ少ない。5年前のW杯ドイツ大会は登録23人中6人。昨年のW杯南ア大会は7人。今度のアジア杯は9人だった。

 「一貫指導の選手育成」を参加条件の一つにJリーグクラブが設立された20年前、学校の指導者もJリーグの関係者も、選手の供給源はJリーグのユースが中心になっていくと予想した。だがJリーグユースの現状は「いい素材を集めているが育てていない」(上野山委員長)。

 強豪国ドイツで、若い代表選手が育たない問題が深刻化したことがある。1980~90年代だ。大きな原因は育成担当のコーチの力不足だとされたが、それだけではなかった。プロが有望株をかき集めた結果、試合に出られずに経験が不足して伸び悩む選手が増えた。大人の指導抜きでプレーした経験がない選手が多くなり、創造的なプレーが減り、問題解決能力や忍耐力などが低くなった。ドイツサッカー連盟はそうした現象をつかんだ上で、育成年代の指導力向上に取り組んだ。若手の活躍が目立ったW杯南ア大会の3位はその成果だ。

 ドイツの例とJリーグが直面する問題には共通点がある。力のある指導者はプロのトップチームに行き、育成には経験や指導技術が未熟なコーチがあたることが多いこと。集めすぎや教えすぎの弊害も似ている。

 しかし、大きく異なる点もある。ドイツの事情を調査した福岡大の藤井雅人准教授がこう指摘する。「ドイツは地域のクラブがプロを頂点にしたピラミッドを作り、プロのユースチームは常に新しい選手を試す。毎年選手の入れ替えもある。全体が大きな一貫指導になっていて競争原理も厳しい。日本は自前で育てる『小さな一貫指導』しかやっていない。大きなシステムも競争も欠けている」

 Jリーグのユースは狭き門だが、入ってしまえば中学、高校の各3年間はチームから外されることがないのが通例。この「ぬるま湯」がドイツをはじめとした欧州や南米の育成現場と決定的に違う。わかっている関係者は少なくない。だが、外された側の反発や周囲の風評を恐れ、変えられないと嘆く声ばかりだ。

 今、そこに挑戦しているのは柏。小中学生のチームを持つ周辺の10クラブと提携し、いい選手がいれば柏に迎え入れ、外した選手は提携クラブで再浮上を支援するという環境を整えた。高校との連携も模索中だ。近い将来に入れ替えを活発化させ、地域の力を結集した一貫指導システムの構築を目指す。

 これは学校にはまねのできない、Jリーグの育成にしか踏み出せない一歩。「不満や誤解が出てくるかもしれないが、お互いに理解を深めながら進めていきたい」と柏の吉田達磨・強化本部長は覚悟を決めている。



☆面白い記事なので、ぜひご一読をお奨めします。

どんな親だって絶対的な自信なんかないと思います。
でも、「わたしは自信を持てるはずだ」と自分に信じ込ませることで、間接的な自信を持つことはできます。
我が子を、他の子や過去の子と比べるの、一度やめてみませんか。
でもそれを他人に求めてはダメです。
すべて、内なる自分との対話であり、戦いです。

そのあたりのことを親が一番わかってないと。



です。

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