2010年5月25日火曜日

天才少年の行き着いた先

クライフによるとオランダ人は違うとのことだが、その他のほとんどのサッカー少年にとって、究極の目標は自分の国の代表選手としてワールドカップに出場することである。
その夢を叶えることになるであろう23人が、明日国旗日の丸を背負って出立する。
十年から二十年前、彼らが少年サッカーチームでプレーしていたとき、本気でこの日が来ることを信じていただろうか。

多くの同胞の想いと労によって支えられている組織の指揮官が、その決戦に向かって旅立つ前に、「私、辞めましょうか」と冗談を言ったのだという。
たとえ真実はそうではなかったとしても、それがどんな状況下でのことであったとしても、そのことをマスコミにペラペラ話す人間を、私は認めることが出来ない。

昨日の日韓戦を見た限りにおいて、より深刻な状態にあるのは韓国チームの方だった。
あの日本の守備陣をろくすっぽ崩せないというのは、攻撃力がほとんどゼロであるということを意味している。
長友に抑えられてしまう選手に期待するしか手のない攻撃でワールドカップの本番に向かう勇気が日本以上であることは確かだが、なまじ2-0という結果を出してしまったがために、その修正を出来ないままになってしまうのではないかと、私は他人事ながら心配してい──ない。ボロ負けしたって、彼らは平気だからだ。なぜなら、南北朝鮮には、最高の言い訳が用意されているからだ。
「朝鮮半島情勢が気になって集中できなかった」
この証文がある限り、今度のワールドカップでどんな成績となろうと、彼らは誰も責任を問われることはない。

だが日本チームは違う。
少年サッカーでの天才少年たちの行き着く先が、無様な三連敗では困るのだ。
カメルーンにも、デンマークにも、オランダにも、全日本少年サッカー大会のような「ごたいそうな大大会」はない。ヨーロッパでもアフリカでもラテンアメリカでも、少年サッカー段階では地元地域のこじんまりした、日本で言う対抗戦のような試合があるくらいだ。指導者にしても、バルサやアヤックスやフラメンゴといった有名チームでさえ、常勤の専属コーチというものはなく、皆、別に本職を持った人間が、ほぼボランティアとして指導している。Jリーグの下部組織スタッフみたいに、その給料で家や車のローンを組んだりできるなんてことは絶対にない。
(つうか、万年降格争いしてるチームの練習場にポルシェが並んでるって、どんだけ甘やかされてんだよって話だ。日本人選手が海外に挑戦しない理由は実力不足なんかじゃない。いまのままポルシェに乗っていたいからだ。サッカーがしたいんじゃなくて、ポルシェに乗りたい人間の集まりなんだから、Jリーグのレベルが向上しないのも当たり前。でもたぶん、ポルシェや超高級腕時計に関するうんちくを語らせたら、Jリーグのレベルは世界一なんじゃないかな。間違いなく、岡田逃げ足スプリンター武史監督も、ものすごく詳しいと思う。サッカーについては、あんまり関心ないみたいだけど。)

少年サッカーで子供たちを指導されている方々には、どうかサッカーを好きな子供を育て伸ばすような方針で指導をして頂きたいと、心からお願いしたい。ポルシェに乗りたい、六本木で派手に遊びたい、一流芸能人みたいに扱われたい、男の子たちがそう思うのは極自然なことだけど、その気持ちを利用して、ただ勝利を目指すような指導はして欲しくない。
サッカーを最高に楽しいと思ってくれるような選手を育ててください。
ポルシェに乗る方が、サッカーをしているよりも楽しい、いや楽しいのならまだいい、サッカーをする理由が、ポルシェを買いたいからというような選手まがいの偽物を育てるような間違いに手を染めて欲しくない。そんなことのために、貴重な人生の時間を浪費しないでください。
サッカーを愛しているのですから、サッカーを愛してくれる人と世界のために、人生の一部を捧げましょうよ。
ポルシェに人生を捧げるのは、ポルシェが好きな人に任せておけばいいんですから。

最後に、昨日の日韓戦後半12分にあったように、給水のボトルを蹴り飛ばし、そのせいでピッチ内に飛んでいったボトルのふたを対戦相手に拾ってもらって、その礼も言わずにふてくされているような『お~さむ~ら~い』が出場している限り、私はそのチームを応援しません。

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