2010年5月2日日曜日

機会損失と少年サッカー

私は少年時代にサッカーをしなかった子供は、人生にとって大きな機会損失をしていると確信している。
機会損失というのは、得られていたかも知れないものを得るチャンス(機会)を失ってしまう(損失)ことを意味する。

サッカーという競技を成長期に経験することは、最も重要で最も重い臓器である脳を、最も高い場所に備える二足歩行動物である人間にとって、他では得難い体験になっている。片足で立ってボールを扱いながら、外部からの攻撃に耐え、なおかつバランスを失わずに全身を使ってけったり走ったりジャンプしたりする訓練は、なかなか他ではできない。

幼児期の知育にはピアノが最上であろうことに異論はない。
小学生くらいまでは、ピアノとサッカーを習わせておけば、学習塾にいって受験テクニックを詰め込むよりも、大学受験時には優位に立てるだろう。もちろん持って生まれたものの差はいかんともしがたいが、当人にとってのベストを発揮するには、塾よりもはるかに効率的だ。

上にも書いたが、人間にとっては転倒こそが危険である。
足の骨折や捻挫などは、正直ささいな問題だ。脳こそ守らなければならない。
年老いて、サッカーから遠く離れた生活を送るようになったとしても、少年期にサッカーで染みこんだバランス感覚を体は忘れない。本人は気づかなくとも、大きなケガから脳を守ってくれているはずだ。

また4年に一度やってくるワールドカップでのワクワク感も、サッカーを経験したことで何倍にもなる。
海外で働くようになっても、そこには必ずサッカーチームがある。

少年サッカーをしない、させないということは、子供たちの人生から、こうした機会を失わせることになるのだということを、大人たちは知って欲しい。


「でも僕は、アメリカがメインだから、サッカーよりも野球の方がいいと思うんだよね」
こういう考えもあるが、アメリカ人の大人って、意外とチームスポーツをする機会がないような気が、私はしている。
大人になって体を動かす機会というと、あってもプールとかバイク(チャリ)とかフィットネスクラブくらいしかないような…。
会社の同僚と野球なんてのは聞いたことないし、バスケなんてのもドラマのERでマークとダグがやってたのくらいしか、私は目にしたことがない。
メジャーリーグで活躍してる中米・カリブ出身の選手たちは、ずっとサッカーやってきて、お金のために高校生で転向した人たちばかりだから、そういう点からも少年期に野球をするメリットは、少なくともプロレベルになるということからするとないと言える。
ただ日本には甲子園という特殊事情があるので、もし甲子園出場が目標というのなら、できるだけいいリトルからシニアへとステップアップする道をオススメする。甲子園出場常連校の野球部へ入るには、これしか道はないのだから。

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