2010年12月6日月曜日

すげー奴が落ちぶれる理由(わけ) その2

すげー奴が落ちぶれる理由(わけ) その2

ビジョナリーカンパニー(HOW THE MIGHTY FALL すげー奴がどう落ちぶれるか)
衰退の五段階
ジェームズ・C・コリンズ(山岡洋一)
日経BP社
2010年7月26日 発行
2200円+税

その1 
その2
その3
その4
その5
その6

◆ここから疑問が生まれる。事実は逆になっているのに、企業が衰退するとき、イノベーションの欠如と自己満足が原因になることが多いと直感的に感じるのはなぜなのか。この疑問への答えとして、二つの点を指摘できる。第一に、偉大な企業を築いてきたものは、そもそもDNAのどこかに、意欲と情熱と猛烈さをもち、進歩への癒やしがたい欲求をもっている。(中略)第二に、人は誰しも、他人が没落したのは自分にはない性格上の欠陥のためだと考えたがり、自分も同じように転落しうるという恐ろしい可能性を認識しようとしない。「あの人たちが転落したのは怠惰になり、自己満足に陥ったからだ。わたしは信じがたいほど熱心に働いているし、情熱をもって変革し、革新し、指導しているのだから、性格上の同じ欠陥はない。わたしは安全だ。転落することなどありえない」というわけだ。しかしもちろん、破局的な衰退は、活力があり、熱心で、必死に働き、創造的な人間が引き起こすこともある。p91
◆ビル・ゴアは、意思決定とリスク・テークに役立つ概念を発表し、「喫水線」原則と名付けている。船に乗っているとして、何らかの決定を下し、悪い結果になったとき、船の側面に穴が開くと想定する。喫水線の上に開くのであれば、海水は入ってこないので沈没することはない。穴を塞ぎ、経験から学んで、航行を続ければいい。しかし、喫水線以下に穴が開けば、大量の海水が入って、船が海底まで沈みかねない。穴が大きければ、あっという間に沈むことになり、二○○八年に金融機関の一部に起こったような破局になる。
はっきりさせておきたいが、偉大な企業は確かに大きな賭を行う。しかし、喫水線以下に大穴を開けかねない賭は避けている。データが曖昧か矛盾している状態で高リスクの賭か決定を行うとき、以下の三つの問いをたてるできだ。
一 良い結果になったときに何が得られるのか。
二 きわめて悪い結果になったときに、どのような打撃を受けるのか。
三 その打撃に耐えられるのか。確かに耐えられるのか。p128

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