2010年12月11日土曜日

4種リーグ県大会@熊谷─観戦メモ─

今日は、熊谷スポーツ文化公園まで出かけた。
2010年 平成22年 12月11日(土)

天候 晴れ 風若干 ピッチ 枯れてやや荒れた芝


観戦の1試合目。
江南南×立花キッカーズ

江南南の選手たちの基本技術はさすがという感じがした。
その一方で、きれいにまとまりすぎているような感じもした。この子はまだまだ伸びしろがたっぷり残ってるぞというように思える選手が、私には見つけられなかった。技術がしっかり身に付いたこれから、「頭の中」の個性が見えてくるのだろう。ただしこの試合に限っては、取り立てて覚えておくおくべき選手もプレーもシーンもなかったように思った。
江南南のサウスポー14番は、相手のプレッシャーがないとき限定だが、多少面白いボールの持ち方を見せてくれた。
立花の選手たちの1対1のスキルが貧弱だったのが、この試合を残念なものにしてしまった要因のように思う。
ちょっと誘いをかけられれば、素直に足先でボールを取りに行ってしまっていた。あれではまるで、学校体育のサッカーだ。緊張していたのだろうか?

2試合目。
東松山ペレーニャ×戸塚FC

どっちも蹴りこむサッカーをしてしまい、正直言ってつまらないゲーム展開となった。
足元のサッカーが得意なはずのペレーニャは、何もできないままあっさり負けてしまった。
私は、せっかくいい相手と試合ができるのに、ああいうサッカーをしてしまってはもったいないと思う。
そうなってしまったのは、子供たちが「ボールを奪う」技術を体得していないせいかな。ペレーニャの選手たちを見ていて、体の寄せ方の基本もできていないのではと疑ってしまったくらいだ。なにせ、ディフェンスの時、後ろから相手の背中を手で押すことしかできなかったのだから。
自分たちが攻撃するためには、まず相手からボールを奪わなければいけない。ディフェンスこそが、攻撃のスタートなのだ、という意識で、もう少し練習に工夫をして上げてくださいと言いたくなった。あれではせっかくの技術も、宝の持ち腐れ。もったいないし、子供たちもかわいそう。
戸塚の方は、それが幼稚園から小学6年までの8~9年間やってきたサッカーなんですか、と問いたい。
もっと楽しそうにサッカーをしてる顔が見たかった。でも、あれは、ピッチ状態を考えて、あえてああいうサッカーしていたのかもしれない。そうだとすると、戸塚の子たちは、かなり“サッカー脳”のレベルが高いってことになる。まあこのあたりのことは、今後の試合を見てみないと判断が付かない。


3試合目。
浦和尾間木×江南南

尾間木の何人かがボールをよけていたのが、非常に残念だった。
サッカーはボールをよけるスポーツじゃない。まして小学生の蹴るボールがコワイなら、サッカーはできない。幸い日本ではいろんなスポーツができる。ボールに当たるのが嫌だという子は、そういうスポーツに転向した方がいいと思う。大昔のテニスプレーヤーだけど、ボリス・ベッカー(ドイツ)やステファン・エドバーグ(スウェーデン)といった選手は、確かサッカーからの転向組だったと記憶している。
でもこういう性格というか、『闘わない、向かっていかない』タイプであることが、DFラインでのボール回しには、いい方に作用していた。3番君を中心にテンポ良くボールを回して、裏を狙おうという姿勢は、小学生ではかなりレベルが高いと思う。

江南は、相手がそこそこ強い方が、いいサッカーができるみたいだ。
おそらく球離れを意識してプレーするからだろう。
サッカーにリズムが生まれるので、観ていて面白い。
そしてやはり、1対1で、「まずは相手をかわす」という認識を持っているプレーヤーの割合は、このチームが最も多い。特にライン際で、そのラインがあることを利用して相手を抜いていく感覚は、非常にすばらしい。フットサルでもう何連覇もしているそうだが、それも納得できるスキルだと感じた。


4試合目。
伊奈ローズ×川越ひまわり

ローズーーーーー、自分たちのサッカー忘れるなよ。
ユベントスに勝った時のサッカーやってれば、今日なんて確実に勝ってたぜぇーーーーー(ひまわりさんごめんなさい)。
攻められると思って、正直に行きすぎだつうの。
ローズのコーチさんよお~、向こうのベンチの指示、ちゃんと聞いてた?
ひまわりは、ローズのパターンを知ってて、ラインを上げて来てたじゃん。
それに県大会の審判は、ちゃんとオフサイドも取れるレベルの人たちなんだから、北足立北部の予選みたいな感覚でサッカーしたら厳しいよ。
全部一発狙いの、裏、裏、裏、だと-----厳しい!

ユベントスから取ったあの1点は、相手の予期しない位置とタイミングからのミドルシュートだったっしょ。それもドライブがかかった、キーパーの上を越えてサイドネットに吸い込まれる見事なシュート。
あれがローズのサッカーなんじゃないですか? 私はそう思いますが。
今日は、シュートの位置がローズにしてはゴールに近すぎだったように思いますよ。

ローズのいいところは、『やんちゃ』ってとこでしょ。
客観的に評価すると、ローズの子たちはそんなにうまくはない(中心となっている25番君にしても、まだまだこれからだと思います)。
でも、勢いとか、「いったれー!」って感じとかが、他のチームにはないくらいの魅力だった。
この「いったれー!」感は、全国でもそうはないくらいの「いったれー!」だったのに……。

ベンチからコーチが「シュートを打たなきゃ入らないぞ!」と必死に叫んでたけど、それをさせなかった相手の方が上だった。

相手のGKも当たってたことを考えると、PK戦になったら厳しいと思っていたが、やはりその通りの結果となってしまった。

延長後半1分の、超超決定的チャンスを決めていれば──。
でも私には、役回りが逆だ、と思えるのだ。
あの、ジョン・テリーばりの、体を投げ出すブロックで相手に絶対に得点させないっていう姿、展開、そして気迫は、それこそローズというチームのものだったのではないだろうか。ああいうことを相手にやられてしまって、自分たちは点が取れなかったとうなだれる。これはローズらしくない。と俺は思う。
「うぉりゃー」とカウンターに入って、ドカンとミドルを決める的な展開こそがローズのサッカーで、体を張って泥臭く、ゴールラインギリギリで守りきる。ゴールの枠まで味方にしてしまうような勢い、気合い。そういうのがローズの魅力だった。ギャンブルっぽくて、スリリングで、感動的なチームであるローズには、もっと上まで行って欲しかったなあ。


【総評】
かなり期待して熊谷まで出向いたんだけど、あまり楽しいサッカーと出会うことができなかった。もっと率直に言うと、つまんなかった。
あ、そうそう。できれば江南南の応援団さん、もっと応援のバリエーションを増やしてください。伝統もあるでしょうが、たまには違うのもお願いします。江南南小学校の校歌の替え歌とか、そういうのはダメですか?

今年の埼玉の少年サッカーで、私が楽しいと思ったのは、地元びいきも含めてユベントスと上尾朝日。それと絶好調の時の新座片山。あと人工芝フルピッチでのレジスタ!
それでも時には、レイソルとかディアブロッサとかマリノスとか、そしてバディーなんかのやろうとしてるサッカーとは雲泥の違いがあるように思ったりもした。

勝利であったりタイトルが、結果なのか目標なのかというのは、ユース前段階、とりわけジュニア年代でのサッカーにおいて、強烈に重要な「違い」なのだろうな、とあらためて考えさせられる。

勝利やタイトルを目指さないと、やっていても、教えていても、見ていても、モチベーションが高まらないという面はある。
でもそれは、体力的に弱い子や、まだ体の小さな子や、技術の修得が遅れている子、などから試合の機会を奪う理由にもなっている。
小学生の時のエースが、将来もエースでいられるか、あるいはその逆は──。
そういったことも、海老蔵事件を見ていると、いろいろ考えさせられる。

よくわからなくなってくる。
でもとにかく、今日、熊谷で観たサッカーは、どれも楽しくなかった。これだけは確か。

ほんの1年間だっていうのに、けっこう選手のレベルって平均化(高いレベルでという意味を含む)してしまうのだなあ。




以上

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