2010年12月6日月曜日

すげー奴が落ちぶれる理由(わけ) その3

すげー奴が落ちぶれる理由(わけ) その3

ビジョナリーカンパニー(HOW THE MIGHTY FALL すげー奴がどう落ちぶれるか)
衰退の五段階
ジェームズ・C・コリンズ(山岡洋一)
日経BP社
2010年7月26日 発行
2200円+税

その1 
その2
その3
その4
その5
その6

◆第三段階の後半に共通する行動(そして、第四段階にも続くことが多い行動)の一つは、権力の座にあるものが他人か外部要因に問題があった指摘するなど、心配なデータをうまく説明し、会社が深刻な問題にぶつかっている可能性を示す厳しい現実を直視しないことである。IBMは一九八〇年代後半から九○年代初めにかけて、歴史的な衰退の道を歩むようになったとき、分散型コンピューティングの猛攻を受けて、メインフレーム事業が危うくなった。ある幹部がこの厳しいトレンドを経営陣に報告したとき、叱責を受けている。有力な指導者がふざけるなといわんばかりに報告書を払いのけ、「君のデータはどこかが間違っているはずだ」といった。そう叱責されて、若い幹部はIBMが衰退すると確信した。「起業のリスクは高いといっても、否認の環境で働きつづけるよりは低いだろうと思えた」と、IBMを退職して起業家になった理由を後に、冗談めかして語っている。p132
◆組織再編とリストラを行うと、何か生産的なことをしているとの錯覚が生まれかねない。企業はいつでも組織を動かしており、組織の進化ではこれが当然である。しかし、悪いデータや警戒信号に対応するときに組織再編を主要な戦略として使うようになると、否認の段階に入っている可能性がある。深刻な心臓疾患や癌の診断を受けたときに、リビング・ルームの家具を並べ替えて対応するようなものである。
理想的な組織などというものはない。どのような組織構造にも利点と欠点があり、どのような種類の組織にも非効率な面がある。われわれの調査では、あらゆる状況で理想的だといえる組織構造は見つかっておらず、どのような組織構造をとってもリスクや危険が消えることはない。p137

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