体の向きだけでカテナチオを崩壊させる男。
その名はエルナネス!
Lazio-Brescia 1-0 Mauri Goal - 6^ Giornata Serie A - 03.10.2010
1-0 Mauri 45′
パスとドリブルだけがサッカーじゃないということが、とてもわかりやすいシーン。
私の愛するラァッチオ(空色)の左サイドの選手がボールを持ってセンターラインを越えた時点で、ブレシア(オレンジ)の4バックは中央を少し絞った距離感で緩い凹型のラインを引いて待ちかまえている。
ボランチのひとりは、ボールを持った選手のコースをさえぎるようにポジションを移動し、右サイドバックは、外へ開いていく左FWへと絞ってゆく。
ラァッチオの攻撃陣は他に、ボールと同じ高さに3人(センターの2人は接近している)と、中央右に遅れて1人がいる。
ボールを運んでいた選手がスピードダウン。右にパス。ブレシアは4DF3MFのラインがピッチ右を固めている。
パスを受けた選手(エルナネス)が体の向きを変えた瞬間に、ブレシアの右DFと右MFは、ラァッチオの左FWへの警戒レベルを下げ、ポジションと意識を中央よりへ修正。
ボールを持っている選手が再度体の向きを変えた。ブレシアMFの陣形に乱れが生じる様子がよくわかる。
ボールを持っている選手が、またまた体の向きを変えた。整っていたDFラインにギャップ(段)ができてしまう。
突然スピードアップ。ブレシアのマーカーが振り切られる。
ブレシアの2人のMFの間にラァッチオの選手(マウリ)が割り込み、ドリブルしている選手の前方にコースができる。
(囲碁でいう「割り打ち」状態)
割り打ちの選手がスペースを空け、そこへのドリブル侵入に成功する。
ブレシアのDFがシュートを警戒しチェックにくる。そのDFが移動したことで生まれたDFラインのすき間へ、先ほどドリブルコースを作ったラチオFWが侵入。
そのタイミングを逃さずにスルーパス。
シュート。得点。
ブレシアDFとすれば、ラチオの右FWをDFラインの左2人でマークするような形になってしまったのが失敗その1。
もう一つは、ラチオの8番をMFがチェックにいったときの、そのMFひとりでチェックするような連携のないチャレンジ。うしろに誰もいないにしては、あまりにも軽率なプレーだ。
ブレシア側とすれば、エルナネスにスピードアップさせないことを第一に守備をするべきで、ボールへチャレンジするのはもっと引きこんでスペースを潰してからにすべきだった、と、私は思う。
逆にラチオにしてみれば、最初にボールを持っていた左サイドの選手が、あそこでスピードダウンしたことが正解だった。あれ以上前進していたら、エルナネスやマウリが使えるスペースが残されていなかっただろうから。
アシスト 8番
エルナネス(Hernanes) 今年8月にサンパウロFCより加入したブラジル人。25歳。
ゴール 6番
ステファーノ・マウリ 30歳 元イタリア代表(2004)。
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