2010年10月31日日曜日

ナニの人間性がよくわかるシーン。 ─抜け目ない─

Nani Goal - Manchester United Vs. Spurs (1:28)
ゴール裏観客による撮影。問題の場面がよくわかる。


Golo bizarro de Nani no Manchester United-Tottenham (2:10)
テレビの映像。肝心の所がよくわからない。


これと似たような事は、オフサイドの判定をめぐってよくある。
笛が鳴っていないのにプレーを止めてしまってうんぬん、というあれだ。
この場面でのナニがすごいところは、PKを取ろうとダイブしておいて、さらにプレーを止めようとハンドして、で、そのことには素知らぬ顔をして、相手のミス(重大なポカ)を見逃さずにきっちりゴールを決めるところだ。
厳密に判定すれば、ダイブ+ハンドで退場となるかもしれないことをしておいて、逆にお咎めなしでの得点を決めてしまう。外交交渉でなめられまくっている日本政府(民主党だけじゃない。自民党時代だってそうだった)に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだ。

そんな風に感心する一方で、引っかかりがないわけではない。
これはスポーツの在り方としてどうなのだろうか、と。非紳士的行為にはあたらないのだろうか、と。
さらに言えば、人(ひと)としてどうなのだ、と。
故青木雄二氏のマンガには、このナニのような登場人物が「勝者」としてよく登場していた。
スパーズ(トットナム)選手のような人間は「敗者」として登場していた。
実社会では確かにそうなのだということは、まあ頭では理解できる。
我が身を振り返っても、そう胸を張れるような生き方をしてきたわけでもない。

しかしだからこそ、スポーツの世界では、スポーツマンシップに生きていて欲しいと願うのだ。

この動画のシーンで、もしもナニがキーパーに「笛鳴ってねえよ。そんなとこに置いたら、蹴っちゃうぞ」とジョークっぽく忠告してたら、ナニのその行為はどう評価されたのだろう?

今のイギリスでのモラル基準がどういう状況になっているのかはわからない。
しかしこれだけは言える。
ナニの近くに財布や鞄を置き忘れたら絶対に戻ってこない、と。

少年サッカーの公式戦、それもトーナメントで、こういう形で得点をした選手に対し、コーチはなんと声をかけたらよいのだろうと考えてしまった。
「よくやった」
「うまくやったな」
と言うのだろうか?
それとも、そういう行為がなかったかのように、そのことには触れないのだろうか?
あるいは、
「ああいうスポーツマンらしくないことは、もう二度とするな」
と注意するだろうか?

プロなら許されても、アマチュア、それも少年サッカー段階ではなおさら許されない、そういうことがあると私は思っている。
幼児、少年、未成年を扱う大人には、やはり大人に接する大人とは異なる責任と義務があると思うからだ(保護責任者とかっていう意味以外に)。

ナニという選手は、有名選手にはなれる(なった)だろうが、ヒーローやアイドルにはなれない。
ヒーローやアイドルと「落ちている財布をくすねて当然」という倫理観は、イコールで結ばれないからだ。
ナニも別にヒーローやアイドルになりたいとは思っていないのだろう。
ヒーローやアイドルは、得な生き方じゃないから。
ナニがもしスーパーパワーを授けられたとしたら、間違いなく高額な謝礼・報酬を払ってくれる方のために働くね。
プロであるなら、それが正解だから。

そういうヒーローものがあったら、ものずごく面白いけど、子供たちからの支持は得られないだろう。
子供たちが愛するヒーローはそういうものじゃないから。
そして子供たちに愛して欲しいサッカーというスポーツにとっても、そういう行為を当然とする人は望ましくはない。
ナニという選手があとどれくらい第一線でプレーできるのか知らないが、さっさと消えてなくなってくださいと、心からお星様にお願いしました。
ヨーロッパまで届け、私の願い。

☆彡 (・・;(/ --)/ あ・・・流れちゃちゃった…


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