2010年10月22日金曜日

大宮アルディージャ・ジュニアユース・セレクション 2次審査

2010年 平成22年 10月22日(金)
大宮アルディージャ・ジュニアユース・セレクション 2次審査

天候 曇り 肌寒い 無風

ピッチ 人工芝 
直前、かすかに微小雨がぱらついたことと、湿気がやや高いこともあって、ボールがとてもすべる状況。










今夜、堀崎公園へ行って、大宮アルディージャ・ジュニアユース・セレクションの2次審査を見てきた。
会場に到着したときには、セレクションの開始時刻(18:45)とされていた時刻を40分以上過ぎていた。

選考選手らは4チームに分けられ、それぞれ番号付きのビブス(黄、緑、オレンジ、水だったかな?)を身につけていた。
セレクション・メニューは、その4チームに番号なしビブス(紺)を付けた1チームを加えたゲーム形式。
ピッチサイズは少年サッカー、ゴールサイズは大人サイズ。
番号なしビブスチームは、連携の様子や体格から想像するに昨年アルディージャのジュニアユースへ入った選手たちだろう。彼らを物差しとして、選考を進めていくのだと思われる。まあ、標準的なやり方だ。

ゲームは、2面を使って同時に2試合行われ、一方の試合の相手がビブスなし、あまった1チームは変形の50メートルダッシュのタイムを計測していた。

変形というのは、およそ30メートルの直線をマーカーで3等分して、間の2つのコーンを1周回っての50メートル走だからだ。
タイムの計測は、最終地点と中間地点の2箇所で、電子計測器を用いて行われていた。

まあこんなのは、一応の参考程度だからどうでもいい。

どの子が通りそうななんてのは、チームの事情や方針によってどうなるかわからないので、そんなのを考えたって仕方ない。
会場の周辺でじっと見つめていたお父さんお母さん、弟妹は、「お兄ちゃんがんばれ」という気持ちなのだろうが、こればっかりはどうしようもない。


こういう状況のサッカーを観るとき、私は「今、この中で、誰が一番サッカーを楽しんでいるかな」という視点に立つ。

命がかかった真剣(本当の真剣、刀)勝負のときにでも、その状況を楽しむことのできる人間が、この世には存在する。

楽しむっていうのは、笑うとか、愉快だとか、快感だとかいうことではなく、むしろ「自分がどこまでできるか試したい」という感覚に近い。もちろんこんな陳腐な言葉で表現できるようなことではなく、もっともっと本能的な、言葉にならない感覚の、そういう世界のことなのだが、でも一番わかりやすく言えばやはり「自分の可能性を試す」「挑戦する」という言葉になる。

そして残念ながら、今夜はそういう選手に出会うことはできなかった。

まだ大学生だった(正確には大学校生か?)チョン・テセが秋葉の森グランドでアルディージャの練習に参加していたのを見たが、ガンガン突破して、何点も得点していた。
そして彼は、その日のそのピッチで、サッカーを一番楽しんでいた選手でもあった。

あれくらい図抜けているような選手もいなかった。あれなら、(体格のことを脇へ置いておくことができるのなら)アルディージャ・ジュニアの選手をそのまま全員昇格させてもいいのではないだろうか。

そうそう、ビブスなしの物差しチームに、ひとり面白い選手がいた。

赤ユニ白パン黄色スパイクの選手だ。体格はふつうだが、ポジショニングのセンスと、ボールを持ったときのリズム感が、彼にはあった。今夜見た選手で、目を引かれたのは彼ひとりだった。

今夜のセレクションを見て考えたことは、これだ。

どうしてみんな、同じサッカー(スタイル)なんだろう?


ボールを持った相手が近づいてくれば、状況に関係なく一発で奪いに行こうとする。
位置取りも、次の展開しか考えていないようなポジションの取り方。体の向き。
ボールを持てば、前前前。

なんであんなに急ぐのか、私にはわからない。

とにかくはやい。何でもはやい。

あれじゃあ考えてる暇なんてないね。反応してるだけ。

まるで公文の教室みたいな時間が流れてた。

まさか選抜担当者が、ストップウォッチ持ってゲームを見てたわけでもないと思うんだけど。


ボールを受けて、止まった選手は、本当にひとりもいなかった。サイドチェンジを狙った選手もいなかった。

これって、かなり異常なサッカーだなあ、と、私には見えた。

ピッチ全体を見て、選手みんなを見極めて、鼓舞して、褒めて、そうことのできる選手もしなかった。初めての選手同士なのに、合間の休憩時間にコミュニケーションをとって、DFラインの連携を整えよう、オフサイドトラップを仕掛けよう、なんていう選手もいなかった。みんな無口に水分補給をしてただけだ。楽しくないじゃんか、それじゃあ。
はじめての仲間と急場の作戦を立てて、それがうまくいったら最高に楽しいのに。
セレクションに通らなくても、そのチームでのその瞬間、そのプレーは、満足できるじゃん。
「じゃあね」って別れたあと、どこかのピッチで会ったら、一目で「よう」「おう」ってわかるよ、一度でもちゃんと一緒に“サッカー”を楽しんでたら。


サッカーの、それもジュニアユースレベルでのセレクションは、入試なんかじゃないんだって俺は思うわけですよ。
だから、せっかくのああいう機会で、ああいう仲間と、ああいう環境でサッカーができるわけですから、もっとそれを楽しんだらどうかな、なんて思うわけですよ。

だって、あれで受かったからって、別にどうってことないですよ。もしサッカーのプロになるんだとしたら。

それよりも、サッカーに対するスケールというか、枠、器をでっかくした方がいいですって。
私立大学のエレベータ付属校のお受験とはまったく違うってことを、もう一度理解し直して欲しいと思ったくらいです。
アルディージャのスタメンに、ジュニアユース出身の選手が何人います?
彼らだって、下部育ちだからスタメンはってるってわけじゃないですし。

どこにいようと、「サッカーに挑戦する」「サッカーを楽しむ」こと(勝利を楽しむとか連続タイトルに挑戦するとかじゃないっすよ。ご注意あれ)のできる選手であることが、将来の長友選手のような選手になれる子なんだと、私は確信しています。


何はともあれ、2次に合格された方、おめでとうございます。
これからの活躍を期待しています。

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