2010年8月20日金曜日

長友がイタリアでプレーする勇姿を見よ!

8月30日(月) NHK-bs1
20:00-21:50 サッカー イタリア セリエA第1節
「ASローマ」対「チェゼーナ」


<長友佑都(ながとも・ゆうと)プロフィール>
1986年9月12日生まれ。愛媛県西条市出身。
幼稚園の頃にサッカーに出会う。
神拝サッカースクール(西条市立神拝小学校)。6年次に愛媛FCジュニアユースのセレクションを受けたが不合格。
地元の西条北中学校で、その後に大きな影響を受けることになる恩師井上博と出会う。
全国的な強豪校である東福岡高校に入学。2年生の夏にはほぼレギュラー入りした。しかし県選抜歴等を条件とするスポーツ推薦を得られず(つまり選抜には入れなかった)、明治大学の政治経済学部には指定校推薦で入学した(つまり、そこそこ勉強も出来たってこと)。
北京五輪2次予選最終戦のマレーシア戦で初招集。2ゴールにからむ活躍を見せる。
07年5月にJリーグの特別指定選手としてFC東京に。7月のナビスコ杯で公式戦デビュー。
その後の活躍は皆の知るところ。

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結局のところ、ジュニアとかジュニアユース段階での名門とか、J下部とかいうのは、各選手個人個人の素材を越える価値はないってことなんだ。
むしろその価値は、その世代におけるモチベーション形成に役立つ「目標」としての存在感にある。
大昔の浦和FCや清水FC、本太中や常盤中、若干世代は上がるが、浦和南高や藤枝東高、帝京高、清水東高なんていうのはまさにそうだった(一方で島原商業高や国見高というのは、圧倒的な強豪高という認知はあっても「目標」とはされなかった)。
いまや日本に、かつてのような「名門ブランド」はない。
これは素晴らしいことだ。日本にサッカー文化の裾野が広がり、かつ指導者のレベルも、またそれを支える後背環境も全国的に根付いた証だからだ。極一部の地域がサッカーのノウハウを独占していた時代は終わったのだ。
サッカーの才能がいつどこに出現するのか不確定である以上、一部の地域が「名門」や「王国」などとされていたことの意味は、要するに、才能のある素材がサッカーをしていなかった、というだけのことなのだ。サッカーを知っていて熱意のある優秀な指導者が数人しかいなかった、というだけのことなのだ。
長友選手がなぜここまでの選手になれたのかは、トレセンで認められたからでも、名門少年サッカーチームにいたからでもない。まっすぐサッカーと向き合って、たとえ選抜チームに選ばれなくともサッカーを続け、そして勉強もやっていたからである。
そうは言っても、幸運だったと思われることはある。
まずひとつ目は、まず地元の中学校が楽しそうな、雰囲気が良さそうな、中学校だったことだ。

西条市立西条北中学校PTAのホームページ
http://hokuchuu.net/main.htm
「お父さんもお母さんも先生もまだまだ青春」
西条市PTA親睦球技大会

これを見ても、なんだか楽しそうだなって感じが伝わってくる。
まあこういう活動が盛んな地域ってのは、昔、かなり荒れた時期があって、それを乗りこえる過程でこうなってるケースが多いのだが、この西条市がそうなのかは知らない。

次は、明治の推薦を取れたこと。確か明治のサッカー部の監督が、当時のFC東京関係者の先輩だったか何かで、非公式ルートを使って長友の情報を伝えたというのがメジャーデビューへのきっかけだった(ような記憶がある)。
日本サッカー界では、まだまだスカウトの能力が低いので、どこかからかそれなりに信頼のおける情報が、それなりに才能を見る目を持った、それなりの立場の人にもたらされないと、せっかくの才能が見逃されてしまうことが多い。もし明治じゃない道を選んでいたら、長友の才能が開花するのはもっと遅くなっていたかもしれない。

長友がもし、どこかのJ下部のジュニアユースにでも入っていたら、毎年何人も出てくる「縦へのスピードのあるドリブラー」のひとりで終わっていたかもしれない。少なくとも、あれほど献身的に、いや自己犠牲といとわずに、アップ&ダウンを繰り返す体力を身につけようとはしなかっただろう。エリート意識とJのプライドが、「うまい選手」である自分を鏡に映し出すからだ。
私は地元埼玉のJリーグチームを、もちろんその誘致段階から応援しているつもりだが、どちらもパッとしないことの最大の理由がここにあるように思っている。
各ユースを構成している選手が、系列のジュニアユース出身者に占められ過ぎていることが非常によくない。
いまJのジュニアやジュニアユースにいる選手は、もっと地元のチームで「お山の大将」的にプレーして、自分の可能性を広げるべきだと思う。
サッカーはお受験じゃないんだから、早く詰め込めば有利だとかってことは絶対にない。一年前倒しに勉強して、最後の一年間は受験の準備みたいなことはできないのだから。

そういう意味でも、長友選手には成功してもらいたいと、私は心から願っている。
逆にプロ野球選手やJリーガーの息子が、J下部からエスカレーターで昇ってきて、「ぼく海外に挑戦します!」みたいなのは、まったく応援する気にならない。さっさと帰ってきて、お父さんの資産管理会社の役員にでもなってくださいって感じ。

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