ワールドカップが終わり、ヨーロッパ各国のリーグが開幕した。
NHKのBSで放送する試合しか見ていないが、なんだかまた一段とサッカーがスピードアップしたように感じた。
Jリーグも運動量では負けていないと思うが、スピードの面ではさらに差が開いたように見える。
梅雨から残暑までの長くて暑くて蒸す期間でそれなりのパフォーマンスを維持しようとすれば、どうしたって体力の温存をしなければならなくなる。夏のマラソンみたいなものだから、どうしたって前半はおさえて、後半勝負するしかない。前半で飛ばして、途中でスタミナ切れにでもなったらレースにならないからだ。
小学生の頃から、夏のサッカーで育ってしまうことが、どうも日本サッカーの決定的な弱点を生んでしまっているような気がしてならない。
球際の当たりの強さや体の張り方、1対1でのリスク判断、試合中にしょっちゅう途切れる集中力、こうしたことは全て真夏のサッカーによって体に染みついてしまった「業(ごう)」なのではないだろうか。
体に染みこんだ「遅いリズム」とか「もう半歩踏み込めない限界線」とかの感覚は、頭からの指令ではどうしようもない。
秋冬シーズンに反対する意見の主のものには「雪国では練習ができない」というものがある。
でも、できないならやらなければいいだけの話だ。
何も全員がサッカーをする必要はない。
九州、沖縄、四国の子供たちがスキーやスケートと縁遠いように、極端な北国や豪雪地帯の子供たちがサッカーと縁遠くなったとしても、それはむしろ自然なことではないか。
暮らしている環境にあったスポーツを楽しめばいいことであって、何も無理に、全ての子をサッカーに押し込めることはないのだから。
それにプロサッカーリーグが秋冬なのであって、サッカーを夏にしてはいけないと決めるわけでもない。
Jリーグが春夏開催である限り、監督がどうなろうが、少年サッカーが8人制になろうが、日本のサッカーは今のまま。
暑い中で、スピード感のある激しいサッカーをやれってのは、生物の生理からして無理。できません。
暑い環境で生きる動物は、みんな穏やかでスローモーなんです。
何億年もかけてそうなるように生命は進化してきたのですから。
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