2010年11月22日月曜日

攻撃時の優先順位

【攻撃の際の優先順位の一番は「サイドアタック」でいいのか?】

『サッカープロフェッショナル超観戦術』著者のブログより



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川本 
選択というのがあると思うんですよ。ゴールを目指すために、どういうところが優先順位で一番高いのか、という。

まずは、「裏」「真ん中」「サイド」。サイドは攻撃の際の3番目の選択だということ(p.101-105)をはっきりさせたかった。サイドを制するものが、試合を制するみたいな印象を与える言い方があったりして。

岡田 
それはおそらく杉山茂樹さんのことですよね? これはあえて名前を出して言うんですけど、杉山さんの戦術論はネタとしては面白いけど、僕が読んでも「あれっ」と思う部分があるわけで、まともにサッカーをやっている人からすれば「なんじゃこれ」となると思うんですよ。それを取り上げるサッカーメディアも、おもしろければなんでもいいのかなと。

彼なんかはフォーメーションやシステムで試合が決まるというけれど、実際は全然そうじゃないわけじゃないですか。試合の流れの中で状況は刻一刻と変わっていくわけで、そこを見て語らないといけないと思うんですよ。

川本 
まあ、僕が言っているのは杉山さんだけではないんですが。バルサの試合を見ていると、確かにサイドからの攻撃はされているんですよ。でも、よく見てると、裏を狙うために真ん中を崩してゴールを目指したいから、サイドから攻撃しているのがわかるんです。最初の選択肢がサイドじゃないんですよ。相手が真ん中をケアするので、必然的に真ん中に人がいっぱい集まっているから、サイドから攻撃してという。そうすると相手がサイドをケアしようとして真ん中が薄くなるとか。そのためのサイド攻撃であって、サイドは3番目の選択だよ、というのをはっきりさせたかったんですよね。

岡田 
その選択の順序をはっきり書いているのは、わかりやすくてよかったですね。まず、裏を狙うのが1番。次が中に入れてクサビなど。3番目がサイドアタック。中が空かないから、サイドに行くわけで、逆に言うと強いチームは簡単に中を空けないからサイドの攻防が多くなるということですよね。

川本 
W杯を見ていても、リーガやブンデスの試合を見ていても、「裏」「真ん中」「サイド」という原理原則をもってゴールを目指すチームは、強豪チームがそういう選択肢をしているんですよ。目的はあくまでゴールを奪うことで、サイドアタックはその選択肢の1つでしかなくて、それも優先順位としては3番目なんだよ、と。

岡田 
岡田前監督もそういう話をしてましたよね。「日本の選手はサイドから行け、というと、真ん中が空いていてもサイドからしか攻めなくなってしまう」と。

川本 
林くんはどう思う?

林 
いやー、日本人は特に、「こうやれ」と言ったら、そればかりをしてしまう傾向はありますね。だから、僕は常に、「状況を見ろ!」と言います。自分の置かれている立場に気づかないといけない。当然、サッカーはチームプレーが基本なので、チームの中に自分という存在があるんですけど、状況を理解できていれば、試合の流れで自分はどうやって関わっていけばいいのかといった、そうした判断は個人になるんですよね。その判断を意識してやっている、もしくは無意識にやれている選手もいるんですけど。そういうことができる選手がいいサッカー選手だと言えのだと思います。

岡田 
それはやっぱり、子どもの頃から育てていかないといけないんですかね。

林 
そうですね。子どもの頃から教わらないと、サッカーが上手い選手にはならないですね。たとえばボールを扱うのが上手い選手を育てるのは、簡単ではないですけど、育てやすい。ドリル的なトレーニングをさせればいい。ものすごくオーソドックスなものを言えば、リフティングが何回できるかとかですね。10回できるより、1000回できる方がいいという。
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中央が空いているのにサイドにボールを出すというのがどういう状況なのか、私には今ひとつ想像できない。
それに「日本人は特に、「こうやれ」と言ったら、そればかりをしてしまう傾向はありますね」についても、それは子供の頃のそれこそ少年サッカーの時代から、そうしないと叱られるから、あるいは試合に出してもらえなくなるから、という「刷り込み」があるからで、それにこれはサッカーに限ったことじゃなくて、同様の傾向は日本中に蔓延している。
企業経営で「コンプライアンス」がもてはやされるのも、非難(バッシング)を避ける防衛手段としてのことなのだ。
よかれと思ってしたことでも、結果責任を、それこそ二度と立ち直れないくらいに負わされるような環境で、「こうやれ」と言われた範囲を超えるような行動を取ることはできない。あまりにもリスクが大きいからだ。

神奈川、千葉、埼玉の少年サッカーチームを比較した場合、ベンチから子供を怒鳴りつける大人(コーチとも呼ばれている)が多いのは埼玉県である、というのが私の印象だ。
長い目で見たとき、もうここしばらく、埼玉県出身の日本代表FWやMFがいないのは、こうしたことも影響しているように、私には思える。

------------とかなんとか言いながら──本心ではこう思ってます。------------
ん~でも関係ないかなあ。
関西や九州からはたくさん輩出してるもんなあ。あっちのコーチの「怖さ」は、埼玉の比じゃないもんなあ。

サッカーに正解はないという大原則、真理は、こういうことでも当てはまるってことなんだなあ。



おわり

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