2010年7月11日日曜日

参院選について考えてみた

自民党は勝ったわけだから、今の体制はそのまま。谷垣総裁&大島幹事長体制。
民主党は大敗したわけだから、今の体制のままではいられない。
【理由】
責任を取らないリーダーの言うことに従う人は少ないから。これは民主党員に限ったことじゃなくて、官僚でも一般国民でも同じ。何を言っても「あんたは国民から認められてませんから」ってことで聞く耳を持たれない。与党内にそれを跳ね返せるような支持基盤があれば持ちこたえられるけど、菅代表と枝野幹事長にそれはない(要するに、居座れないってこと)から、実質的な政治生命はとりあえず今日でいったん終わりってことになる。

【連立の相手】
みんなの党、公明党、のどちらかか、両方とということになる。
どちらも消費税増税には大反対。
選挙中から小沢前幹事長が公然と菅執行部の消費税論議に反対してたのは、たぶんこのことを見越してのことだろう。つまり、連立を組む大義名分は
『(国民を苦しめるような、そして日本経済をデフレに落とすような)消費税の増税をせずに、日本の景気を良くするために協力する』
しかないからだ。
連立を組んだあと、
「民主党は選挙中に消費税増税をうったえていましたよね」
という質問を受けたとき、
「私ははっきりと反対していた」
と答えられる証拠として、テレビ取材が来てるときにわざと反対を表明したのでしょう。
こういう風にかなり遠目にも布石を打っておくところが、妖怪とか、したたかとか、しぶといと言われるゆえんなんだろうなと感心する。でも後でこれに気づいた方は、はめられたとか騙されたと感じるかもしれない。歴代の政治家でずば抜けて敵が多い理由のいったんは、こういうところにもあるのだろう。

10パーセントへの消費税増税を掲げた自民党は、公明党に自公の協力関係から離脱する口実を与えたようなものだ。こういうところを見ても、谷垣・大島体制は正直だけど賢くないなあと思ってしまう。公明党が離れたら、結局参院でも少数野党になっちゃうのに。そうなったら「解散に追い込むぞ!」も何も雲散霧消の夢物語になってしまうってことがわかってなかったとしか思えない。

民主+みんな+公明+国民新の連立政権が誕生したら、野党は自民党と社民党と共産党という「旧い政党」だけになる。これはいろんな面で厳しい。そうなると自民党は選挙に勝ったにもかかわらず、クシの歯が抜けるようにポツポツと一本釣りされて、気づいたときには草刈り場と化している危険さえある。選挙は勝てばいいってもんじゃなくて、勝ち方も非常に大事だ。今回勝った結果、谷垣・大島体制が存続することになったことが、自民党にとって凶とならかければいいのだが。

【政権にとっての不安定要素】
小沢前幹事長に対する、第二回検察審査会の結果がどうなるかが、国をゆるがすくらいに重要だ。
高齢で、敵も多く、人気もなく、裏で汚いことをしてそう、という昨今のビジュアルポリティクス時代には最も合わないタイプの人材だが、なんだかんだいってやるときは結果を出してくれるだろうという圧倒的な存在感のある人材でもある。
結局のところ、この人が国のトップに立たないと、日本は次の段階へ脱皮できないんだろうと思う。
最悪な事態は、健康問題とか検察審査会の結果とかで、もやもやっとしたまま小沢前幹事長が表舞台から消えていってしまうことだ。そうなるとおそらく、小沢氏についていたグループがこの国の不安定要因となるだろう。
大昔、日本リーグの時代には、力のある選手が自分のシンパのグループを作って、監督よりも横暴をふるっていたようなチームもあったように聞いている(これは別に、ヤンマーの釜本選手だとか、読売クラブのラモス選手だとかを指しているわけではなく、そういう話もあったなあくらいの遠い記憶ってことです)。そういうチームは、そのリーダーの実力が衰えてくると、あるいはリーダーがいなくなると、途端にバラバラになってしまう。民主党もそうなりかねない。もしそんなことになったら、民主党が割れて、自民、民主A、民主B、という中途半端な政党ができることになって、ますます日本政界は混迷してしまう。こうなったらもう何も決められないし決まらない。

【最終的には】
最終的には、民主党は形を変えた自民党になる。政治家が国民の代表である限り、民主主義国日本における与党の本質は変わりようがないからだ。日本という国の最大公約数が与党なのだから。

【民主党に期待すること】
人権擁護法案だとか夫婦別姓とかよりも、毎年3万3000人も自殺者が出るような世の中をどうにかして欲しい。
小学校年代から準備をしないと合格できないような国立大学があるなんてのは、本来あってはならないことであって、それは公教育制度のどこかが根本的に間違っていることの証なのだということに気づいて欲しい。

【綸言汗の如し】りんげんあせのごとし
『漢書』に出典のある言葉で、幼い皇帝が遊んでいたとき「お前を××国の王に任命しゅる」とか言ったら、皇帝であってもその言葉を取り消すことができなくなって、本当に王に任命する事態となったとかっていう逸話が元になってる(はず)。
綸言ってのは君主の言葉って意味で、君主が一度発した言葉は汗の様に流れ出て二度と戻らないよってこと。
麻生、鳩山、菅と口の軽いトップリーダーが続いたから、次はそうじゃない人をお願いしたいなあ。今さっきテレビで見た岡田外相は、顔の血色がやけに良かったなあ。

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