2010年7月18日日曜日

すさまじきもの。しょぼいゴールキック。

昨日今日と上尾市長旗杯という少年サッカーの大会を観戦した。
気温のせいなのか、夏休み前という時期的なものなのか、どうにも見るべき所のない試合ばかりだった。
内容も、個々の選手も、ライブでなければ出会えないようなすばらしいプレーも、記憶に残したくなるようなものは何もなかった。
特に、これは前々から気になっていたことなのだが、ゴールキックがどのチームもことごとくしょぼいというのはいただけない。
ゴールキックが「ベコ」とかいう音で中途半端に転がっていくのを見せられるのは、どうにも切なくなる。
ゴールキックがリスタートになってない。
ピンチの連続になってる。
なんでどのチームもこんな状態のままなのか、ずっと以前から不思議だった。
プレースキックの基本さえできていないようなキッカーばかりというのは、どうしてなのだろう?

まっすぐな助走から入って、きっちりしっかり上体をかぶせて、深く踏み込んで、蹴り足のかかとを立てて、「エイヤッ」と蹴る。

それは見事に、地をはうようなボールが飛んでいく。
それはそうだろう。
だってそういうボールを蹴る、お手本のような蹴り方なのだから。
ああいう風に蹴るように、サッカー協会から指導されてるのかなあ?
筋力のある大人なら、あの蹴り方でもいいとは思う。変に高度のあるボールだと、時間がかかって、ボールを受けた味方に敵のプレッシャーがかかりやすくなるから。
でも、筋力のない子供にあの蹴り方は、ないない。

力のない子には、もっと高度を出しやすい蹴り方を指導した方が、育成の面からもいいと思うんだけど、最新の指導方法だと違うのかなあ。
その辺は自信がないのでこっそりと、私が知っているプレースキックのコツをつかむ練習方法を、二つばかり紹介する。

【その1】体重を乗せて芯をくわして蹴る感覚を身につける。
いわゆる「ドカ蹴り」って奴だ。ガーっと助走して、ドンッと真芯で蹴るあの蹴り方だ。
あの蹴り方でボールの中心より下を蹴ることが、プレースキックの基本その1となる。
練習としては、誰かが真正面から転がしたボールへ向かって助走していって、まっすぐ蹴り上げることから始める。
キーパーのプレーイメージとすれば、裏へ抜けてきたボールを、思いっきりクリアする感じだ。
これを横回転要素がかからないように、縦の逆回転がかかるように蹴る。
転がすボールの速度は段々と遅くしてゆき、最終的にはほとんど止まりそうなボールでも蹴れるようにする。

【その2】立ち足の位置を学ぶ
これは見方を変えると、怖さを消す練習だとも言える。
ボールを飛ばす蹴り方を体が知らないうちは、どうしても立ち足に頼った蹴り方をしてしまいがちだ。しかし人間の体の構造からすると、立ち足に軸を作ると蹴り足を強く振れなくなってしまう。股関節の構造が車輪と車軸の関係ではなくて、すり鉢とすりこぎのような関係になっているからだ。こういう構造では、一方の力がもう一方へ直接つたわりにくい。結局、別々に、それぞれの筋力と体重移動で蹴ることになってしまう。これでは筋力も弱く、体重も軽い子供では、強いキックはできない。
プレースキックでは、むしろ軸を立ち足よりも蹴り足側におくようにする。体全体をひとつの回転軸にして、そこから2本の足がぶら下がっているイメージでキック全体を構成するのだ。
このような用具を用いると、それが頭ではなく体で理解できる。


これは構造をイメージしてもらおうと、今、手元にあった間に合わせで作成したものだ。

トイレットペーパー の芯を半分くらいに切って、立てやすいよう足を作り、それにヒモを結びつけただけのものだ。

芯の部分はボールをのせる台となる。

そしてヒモは、時計の9時を指す針のように横へ伸ばし、立ち足がそれを越えないよう目印となる。

立ち足を真横に踏み込めなくなることで、自然と体重は後方へ、そして蹴り足側へと移動するようになる。はじめは腰砕けのようになるが、蹴りやすい助走の角度を工夫させれば、それほど時間をかけずにうまく蹴れるようになるはずだ。

段々と台の高さを低くしてゆき(ハサミで切るとかして)、最終的にヒモを置くだけで蹴れるようになったらもうOK。


ボールの蹴り方は人それぞれで、決まった正解などはないが、それでもとっかかりとなる基本のようなものはある。

「ベコ」とか鳴るゴールキックが一日も早く、北足立郡北部のサッカー場から消え失せることを、心より願っております。

だって、興ざめですから。

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