2010年7月30日金曜日

発想の転換──こんなもんだ、と思ってみる──


日本のサッカー文化はここが頂点だと思ってみる。


Jのチームが40を越えようが、少年サッカーが8人制になろうが、ヨーロッパでプレーする選手が常時二桁となろうが、日本人のサッカー選手レベルはこんなもんだと思ってみる。


だってそう思えて仕方ないから。


選手の育成に関して、日本の環境は相当いいところまでいっている。


正直言って、これ以上どうすりゃあいいのってところまでいっている。


来年度から少年サッカーが8人制になるが、そうなったからといって何か劇的な変化が起きるわけもない。


Jリーグができて日本サッカーのレベルは向上したが、トップレベルの選手レベルが向上したのかというと、そうは見えない。平均値の厚みが増しただけにしか見えない。


正規分布で平均付近の厚みが増すと、極値が拡大していくわけじゃなく、むしろ全体が平均値に集約しようとする傾向を見せる。
これは日本に限ったことじゃなくて、世界中でそうだ。
ワールドカップやチャンピオンズリーグ、あるいは各国のリーグで展開されるサッカーのレベルは平均的に向上したが、その一方で突出した選手はいなくなった。いわゆる「スター不在」「スーパースター不在」というやつだ。
少年サッカーでも同じだ。
全国どこのチームもなかなかのサッカーを見せるようにはなった。でも、ずば抜けた子は見られない。全国大会を中継するテレビ局のアナウンサーが、無理矢理に「怪物」だとかいう称号をかぶせて持ち上げようとするが、関係者も視聴者も子供たちも騙されはしない。
でもこういうもんなんだ、と思ってみると現状が違って見えてくる。
レベルが向上するということは、平均値が厚くなるということであって、それは偏差が縮小するという意味だから、当然極値の値も小さくなる。つまり、極端にヘタな子も、極端にうまい子も、いなくなる。
8人制にすると今以上にみんなが上手になるかもしれないけど、今以上に図抜けた選手は育たなくなる。
でも、それでいいんじゃないの。
どうせ、何がどうなったって、日本サッカー文化のレベルはこんなもんなんだから。
と思ってみるのも一興だ。


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