2010年7月21日水曜日

ロビーニョの罠

http://www.bbc.co.uk/blogs/timvickery/2010/07/spain_or_barcelona_no_contest.html

BBCスポーツのコラムで、2010FIFAワールドカップを終えてのブラジルサッカーに関するものがあった。
要約すると、このままじゃあブラジルサッカーはダメダメなままなんじゃないの? だ。
---------以下、超訳の要約--------
終始スローペースで、スペースもガラガラで、レフェリングも甘いブラジルの国内リーグは、たとえトップレベル同士の試合であったとしてもヨーロッパレベルにははるかに及ばない二流三流へと堕落したままだ。
ロビーニョが良い例だ。彼がサントスで頭角を現してきたとき、ブラジルサッカー界は彼を天才だと褒め称えた。元ブラジル代表のセンターフォワードであったカーサグランデにいたっては、マラドーナ以上のタレントだとさえ言っていた。FIFA世界最優秀選手を受賞するのも時間の問題である、と。
しかし現実は、そうはならなかった。
それからもう何年にもなるのに、彼はまだその現実を受け入れられないで苦しんでいるようだ。同じことがGansoとNeymarにも起こるかもしれない。
悪いのは彼らではない、アイドルを必要とするクラブ、スターを必要とするメディア、見込みがある素材(hot properties)を必要とするエージェント、これらの人間らが、彼らに必要な準備をさせなかったのだ。
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If a youngster is hyped too soon, there is always the risk he will suffer a reality shock when he steps up his career.
あまりにも早く若い選手を売り込んでしまうと、彼が手にするはずだったキャリアを現実という壁が阻んでしまうリスクが常につきまとう。

これがこのコラムの結文である。
高いレベルを早く経験させることがよいのか、はたまたその選手にあったレベルでじっくりと育てるのがよいのか、これはサッカー選手の育成だけではなく、子育てを含む教育全般における永遠の課題だと思う。
ブラジルのロビーニョ、ガンソ、ネイマールとまでいかなくとも、レッズの山田直樹や原口元気、ガンバの宇佐見レベルの場合でも、同じ問題が横たわっている。
彼ら自身も、また周囲の大人たちも、ヨーロッパでプレーすることが彼らの能力をさらに引き出す、と思っている可能性は否定できない。しかしそれが彼らを「ロビーニョの罠(わな)」に陥れてしまうリスクも否定できないのだ。
その罠を回避するための準備として考えると、今年のゴールデンウイークあたりだったかに大宮アルディージャジュニアがヨーロッパの大会へ参加したことは、悪いことではなかったのかもしれない(アルディージャのスタッフがそこまで考えていたとは到底思えないにしても)。
次のワールドカップはブラジルで開催される。
さてブラジルの次期監督が誰になるのか。
私はパレイラだと予想する。ブラジル代表監督だけはずっと人材不足なんだよなあ。

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