2010年7月12日月曜日

ワールドカップはスペインの初優勝で閉幕

2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会の決勝戦は、延長戦後半イニエスタのゴールでオランダを1-0で破ったスペインの優勝で幕を閉じた。スペインは初優勝。
今回、スペインはいくつものジンクスを破った。
・ヨーロッパのチームは、ヨーロッパ以外の大陸では優勝できない。
・初戦に敗れたチームは優勝できない。
・直近のヨーロッパ選手権(EURO)で優勝したチームは、ワールドカップで優勝できない。
所詮ジンクスは「後付け」にすぎないってことなんだろう。

スペインが優勝したことで、今回のワールドカップは救われた。
もしもオランダやドイツ、そしてブラジルあたりが優勝していたら、サッカー界でますます「フィジカル派」が幅をきかせることになったと予想できるからだ。そうした意味で、スペインが優勝してくれて本当によかった。

セルヒオ・ラモス、イニエスタ、チャビ(シャビ? どっち?)、シャビ・アロンソ、ビリャ(ビジャ)、ペドロ、セスク・ファブレガス、ダビド・シルバ、あたりに憧れて、プレーをマネする子供がたくさん出て欲しい。あるチームのサイドバックをしてる子が、憧れの選手にブラジルのマイコンをあげたときは言ってやりたくなったものだ。「マイコンが日本にいたら、サイドバックやってないから」っと。体が大きくないとダメだ、みたいな先入観を払拭する手助けに、今回のスペイン優勝は役だってくれるはずだ。

大きくなきゃダメ、東大を出てなきゃだめ、美人じゃなきゃだめ、こんなことを子供が口にするような社会は病んでいる。
小が大を制す、たたき上げがエリートをやりこめる、外見よりも内面が大切、世の中こうじゃなきゃ楽しくないし、ドラマも起きない。

子供たちを指導されている方々には、例えばイニエスタに憧れている子供に対して、形じゃなくてハートをマネしろと言ってあげて欲しい。
「でかい奴くてラフなディフェンスをしてくる相手に対して、逃げるんじゃなくて向かっていくんだ。イニエスタが逃げたか? チャビがバックパスしたか? ビリャがシュートするのをやめたか? 顔にボールが飛んできたからって避けるんじゃない。そんなのはアイドル志望の女の子がすることだ。男なら逃げるな。闘え。向かっていけ。相手が強そうだから逃げただと? ならお前は弱そうな相手にしか立ち向かわないのか? そんなのは卑怯者のすることだ。そういうやつはサッカーに向いてない。隅に行って母ちゃんのオッパイでも吸ってろ」
思春期に入りかけの男の子には、この「母ちゃんのオッパイでも吸ってろ」というセリフが非常に効果的なのだ。へたすると、こう言われた場面を一生忘れられなかったりする。
ここ一番というところでビシッと使うと、その子ががらりと変わったりする魔法のフレーズだ。
ただし安易に連発すると効果がなくなるばかりか、エロだとかセクハラだとかママさんたちからクレームが来たりするので、両刃の剣でもある。
しかしそれでも、下ネタ系の煽り言葉は、思春期に入りかけの男の子たちを指導するときうまく使いこなしたい、魔法の武器なのである。外国、それも欧米やラテン系の地域では、男の子を育てるとき、父親やコーチは下ネタや思いっきりの差別表現をはばかることなく使う。人種差別的表現だとか、外見的な特徴に基づくような表現、親の出自、歴史、そんなのを当たり前のように使ってののしられ、罵倒される。言われ続けているうちに、いつの間にか慣れっこになってしまってどうとも思わなくなるのだが、はじめて海外でこういう経験をしたジュニアやユースの年代の子の中には、これに耐えられないで帰国するような例も多い。
そこまではいかないまでも、こうした刺激的なフレーズを上手に使って、効果的に子供たちのハートに火をつけたり、叱咤激励したりして欲しい。
草食男子なんてのは一網打尽に絶滅させないと、日本がつまらなくなってしまうから。
そうした意味でも、闘牛の国、マタドールの男たちが世界一になったことは、とてもとても喜ばしいのです。
(ドン・キホーテの国でもありますが……)

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