2010年7月15日木曜日

サイドバック考

内田がドイツのシャルケ、長友がイタリアのチェゼーナへ移籍した。
これまで中盤とフォワードの選手は海外に行ったことがあるが、サイドバックの選手の海外移籍はこの2人が初めてとなる(奥寺のあれは、サイドバックというんだろうか? もしそうなら奥寺以来ということになる)。

2トップ布陣が一般化してウイングというフォワードのポジションが消滅して以来、サイドバックの仕事においてはオーバーラップの重要性がぐんと増した。今後は1トップをとるチームが増えると予想されるので、サイドバックにおける守備の重要性はますます減っていくだろう。

少年サッカーの8人制では、サイドバック的なポジションというのは存在するのだろうか?
GK1、DF3、MF3、FW1というのが一般的な布陣になると想像するのだが、実際はどうなのだろう?
DF3、MF2、FW2では中央がうすくなるし、DF2、MF3、FW2ではタテパス1本で簡単に裏をとられそうだ。
むしろ、DF4、MF3、FW0、にするくらいの割り切りをした方が、チームとしては安定するような気もする。「全員がFWの意識を持て!」なんて煽ったりして、実態はドン引きポゼッションのスルーパス狙い戦術だったりするチームが好成績を残すんだろうなあ。

8人制だと、サイドの使い方がうまい選手なんてのは絶対に育たない。
サイドを攻め上がって、中にセンタリングする意味なんてなくなるんだから。
サイドでボールを受けたら、ゴールライン際に追い込まれる前に、中へと切り込んでいくことが求められる。
みんながみんな、スペインのセルヒオ・ラモスみたいなことができればいいけど、結局は中盤が拡大したような展開のサッカーが多くなるのだろう。中村俊輔みたいな選手の方が生きるように思える。サイドを突破するんじゃなくて、サイドでためを作ってパスを狙うような選手、そういう選手。
プレッシャーがなくなるから、足下のうまい選手はボールキープしやすいだろうし、スピードのある選手は裏を狙いやすい。レギュラーとなる選手も、ディフェンス力よりはパス回し力が優先されて選抜されるだろうから、ますます守備の圧力は弱くなる。
サイドのスペースを使う理由がなくなるってことだ。中央突破を狙うサッカーで、充分に勝っていける。

サイドの選手は、今後育たないことが予想される。
そういう意味でも、長友と内田の両選手には活躍してもらいたい。
こうなったら、彼らのプレーの魅力で、サイド志向の子供たちが育ってくれることを願うしかないからだ。
なぜなら、私が個人的に、両サイドを使うサッカーが好きで、そういうチームの試合をたくさん見たいから、それだけの理由なのだが。

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