テレビや新聞といった大手既得権マスコミ各社が選挙報道をする場合はさすがに「どうあがいても当選は不可能」なんて表現は使えないので、その報じ方にはさまざまな苦労のあとが見られる。わかりやすく言えば、お役所言葉(「前向きに検討します」「善処します」「担当の者に伝えます」など)みたいな感じで別の表現にしてみたり、自社調査(という名のいいかげんな情勢分析。この情勢分析を通じて、社員の中にはお小遣いを貯め込んだりするのもいる。現場はかなり突貫的ドンブル勘定になるので)で出て来た(ことにする)当落見通しの優劣を文章や呼称の配置で工夫したりすることで、仕事をした気になっている。
例えばこんな具合だ。
〇〇と××が互角の戦い
〇〇と◇◇が横一線
〇〇と◇◇が接線
〇〇と◇◇が互いに一歩も譲らぬ戦い
これらの意味するところは
「〇〇が誤差範囲で優勢」
ということになる。
〇〇に××が猛追 → ××の当選は厳しい
〇〇を××が追う → ××の当選はかなり厳しい
似たようなものにはこんなのもある
〇〇に勢い
〇〇が先行
〇〇がやや優勢
〇〇がややリード
〇〇が僅かに優勢
××が猛追
××が懸命に追い上げ
××が懸命に追い上げ
××が続く
そして終盤になって、情勢が誰の目にも明らかになっても、まだ苦しい表現は続く。
なぜなら、候補者や関係者や支持政党なんかとは、まだ仕事で世話になるかも知れないからね。
××は苦しい戦い
こうなったら、もう勝負あった。
言わんとすることは、
「××が当選するのは奇跡に近い」
ってことなのだ。
この手の表現もそういうこと。
××は苦戦
××は独自の戦い
××は伸び悩む
〇〇は××に水をあける
〇〇は××に優勢を保つ
〇〇が有利な戦い××は巻き返しに懸命
〇〇が優位な戦い××は巻き返しに懸命
それから、新聞記事なんかの見出しでは
「〇〇と××が横一線」
って書いてあるのに、本文だと××が先にくる場合は、本社調査では〇〇だけど、地元の詳細調査で××が誤差範囲で優勢だという意味が隠れてることもあるらしい。
でも最近はそういうことも少なくなってきた。
全国的に平均化してきたってことなのかなあ。地元色が薄まってるんだよね。
それとマスコミの調査だと、携帯電話が相手にされてないってことも覚えておいた方が良い。
固定電話を持っていて、日中から夕方にかけて家にいる人で、いきなりの電話相手に最低でも15分は付き合ってくれるような人の、それもインタビューに慣れていない人だけの回答なのだ。
昔はそういう人こそが「一般大衆」であったのだが、今やそういう人たちはむしろ「かなり特殊な人」となっている。
こうしたことが選挙報道でマスコミ各社の予測が当たらなくなった最大の原因であろう。
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