シャンプーは、その成分から
「高級アルコール系」
「アミノ酸系」
「石鹸(けん)系」
の三種類に分類することが出来る。
【高級アルコール系シャンプー】
一般的なシャンプーは、この「高級アルコール系シャンプー」になる。
「高級」とは「価格が高い・価値が高い」という意味ではなく、「分子量が大きい」事を意味している。
したがって、『うちのシャンプーは安物だから』とか、そういうことは関係ない。
市場に出回っているシャンプーのほとんどは、この高級アルコール系シャンプーなのだ。
動植物油脂などから作られた界面活性剤が入っており、泡立ちが良く洗浄力も強いのが特徴で、安価で大量生産が出来る。
そのため値段も安く、メーカー側としても、また消費者としても、『コストパフォーマンスの良い』シャンプーだといえるだろう。
【アミノ酸系シャンプー】
「アミノ酸系シャンプー」は、タンパク質の構成物質であるアミノ酸から作られる界面活性剤を使用しているため、他の種類のシャンプーよりも肌(タンパク質でできている)への刺激が低いという特徴がある、とされる。
髪や頭皮に優しく、リンス不要な商品が多いのも特徴。
アミノ酸が髪をコーティングしてくれるから、らしい。
一方で、洗浄力が弱いうえに値段も高くなりがち(あくまで、アルコール系と比較して、という意味だが)というデメリットがある。
【石鹸(けん)系シャンプー】
「石鹸系シャンプー」は、その名の通り『石鹸』が主成分。
洗浄力が強い割に肌への刺激が弱いので頭皮には優しいのだが、『石鹸』それ自体が強いアルカリ性を持つため、洗い上がりの髪のゴワゴワ・バサバサ感については好き嫌いのはっきりするところだろう。
石鹸シャンプーによってアルカリ性になってしまった髪・頭皮を中性・弱酸性に戻すために、酸性リンス(クエン酸リンスなど)を使うことも多い。
値段は安く、意識してさがせばスーパーや薬局でも普通に販売されている。
妙なロハス・ネイチャー系の本などでは、界面活性剤をまるで有毒物であるかのように取り上げ、その対抗策としてこの石鹸系シャンプーをやたら持ち上げてある(ハゲもアトピーも治る! みたいなのまである)ものがあるが、そもそも界面活性剤の働きというのは人体内部にまで影響を及ぼすようなものではない。まあプラシーボ効果というのは何にでもあるので、それで幸せになれるのならそれでいいのだが。
【シャンプーの見分け方】
シャンプーの種類は、容器に書かれている『成分表示』を見ることで見分けることが出来る。
配合濃度の高い順番に表示する事が薬事法で義務づけられているので、成分表示の一番最初に書かれている成分によってシャンプーの種類が特定できる。
「水」や「グリセリン」などとなっている場合は、当然その次に書かれている成分で判断する。
【「ラウリル硫酸○○」「ラウレス硫酸○○」】
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸塩など、上記のような成分が主成分として一番最初に表記されていたら高級アルコール系シャンプー。
というか、以下のような表示でないものは、みんなアルコール系だと思えばいい。
【「ココイル○○」「コカミド○○」】
これらの名前が付いた成分が主成分であれば、アミノ酸系シャンプー。
「ココイル○○」や「コカミド○○」、「ココアン○○」といった成分はヤシ油脂肪酸を意味している(「ココ」「コカ」だからね)。
「自然○○配合!」とうたっていても、主成分が「ラウリル○○」であれば、それは「高級アルコール系シャンプー」なので注意。メーカーは「安い『高級シャンプー』風シャンプー」に見せかけて消費者を騙そうとしているのだ。
【「石ケン素地」「カリ石ケン素地」】
その名の通り、これらが主成分のシャンプーは石鹸(けん)系シャンプー。
通常の石鹸系シャンプーは「石けん素地」と「水」のみの場合が多いが、中にはホホバオイルなどの天然オイルが含まれているものもある。
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暑いときは、頭を洗うとスッキリする。
シャンプーで気分に変化をつけられるのは、髪がある人間の特権でもある。
1本買えば数ヶ月は使えるシャンプー。
何種類かそろえておいて、その時々によって使い分けるだけでもかなり気持ちが切り替わるものだ。
それこそ「ローコスト・ローリスク・ハイリターン」のストレス解消法として、シャンプーにちょっとこだわってみるのも悪くない。
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