2010年6月1日火曜日

囲碁とサッカーの不思議な関係

早碁の世界一決定戦である「テレビ囲碁選手権」が以下の日程で開催されている。

早碁とは?
持ち時間1手30秒の秒読み。途中1分単位で10分の考慮時間を使える。
この対極にあるのが、棋聖、本因坊、名人戦などの、持ち時間8時間の2日制。

第22回テレビ囲碁アジア選手権 日本大会
京都ホテルオークラ別邸 京料理「粟田山荘」
6月1日(火)~3日(木) NHK-BS2にて絶賛放送中!

テレビ囲碁アジア選手権とは?
日本・中国・韓国のテレビ棋戦であるNHK杯、CCTV杯、KBS杯の優勝・準優勝者と、前回のテレビ囲碁アジア選手権優勝者の7人によるトーナメント戦。

■NHK-BSテレビ放送 予定日
     6月1日(火): 1回戦 第1局/1回戦 第2局/1回戦 第3局
     6月2日(水): 準決勝 第1局/準決勝 第2局
     6月3日(木): 決勝

   ■出場者
     中国: 孔傑(コウケツ)九段(前回優勝者) 
         CCTV杯優勝者、準優勝者
     韓国: 李昌鎬(イチャンホ)九段
         姜東潤(カンドンユン)九段
     日本: 結城聡(ユウキサトシ)九段
         井山祐太(イヤマユウタ)名人




1回戦第1局
[日本] 井山裕太九段 × [韓国] 李昌鎬九段
白番 李昌鎬九段 5目半勝ち

1975年生まれの李昌鎬は、1982年に祖父から囲碁学び、1984年には韓国棋院研究生となり、1986年の11歳でプロ棋士に、14歳の最年少タイトル獲得、16歳5ヶ月で最年少国際棋戦優勝という記録を作った。
「いい碁を打つことだけを考えて、失敗しても最後まであきらめないよう心がけています」と淡々と話す。


サッカーと同じで、囲碁にも大まかに攻めのタイプと守りのタイプがある。
この李昌鎬(イ・チャンホ)九段は後者、守って勝つタイプの完成型とも呼ばれ、それはイタリア代表のサッカーにもよく似ている。
難しいことはわからないが、私は、この李昌鎬九段はサッカーでいうところのポジショニングが非常に巧みなところに天分があって、それと人類の枠を越えたような辛抱強さが合わさったことで、この驚異的な勝ち数を積み上げることが出来ているのだろうと勝手に分析して、サッカーを観るように彼の囲碁を楽しんでいる。
こっちの局面を考えてこの石を置いたんだろうなと思っていると、そこから十手先の局面で、実は違うことを考えていたのだということがわかったときは感動させられる。もっとも、わかったと思っているのはもちろん私の勝手な思い込みであって、実際にそれがどういう意図であるのかという囲碁の達人たちみたいな「正解」がわかっているわけではない。でもそれがまた面白いところで、これが正解だ、などと押しつけられたら、別に義務でもないんだから私などはプイッとよそを向いてしまうだろう。

囲碁にはサイドチェンジもある。そう、サッカーでもある、あのサイドチェンジだ。
そしてフェイントもあれば、セットプレーもあるし、そのセットプレーにはトリックプレーだってある。
ポゼッションに近い戦術的な考え方もあるし、バイタルエリアとか、中盤が空いてきたとか、一対一の局面、みたいな場面だってある。
でも決定的に異なるのは、得点がないことだ。
囲碁の勝敗は、サッカーの試合でいうと、試合全体の「イメージ」のようなもので決まるのだ。
押されっぱなしだったけど、ロスタイムのロングシュート一発で勝利をもぎ取った、なんてことにはならない。それどころか、なんかこれ以上やってもどうせ勝てそうにないからもうやめる、といって試合途中で負けを宣言することもできる。
そのへんは囲碁を覚え始めたとき、私なんかは感覚的にモヤモヤしたんだけど、やってみると、こんな状況になっちゃったらこれ以上やっても意味ないなあ確かに、ってこともあるんだってことはすぐわかるようになる。

明日は準決勝で、明後日は決勝。
囲碁に興味はなくても、録画しておいて気が向いたときに気合いを入れて観てみると、サッカーに似たとこがあるってわかってもらえると思う。
まあ、「だからどうなんだ?」って言われると、だからどうってわけでもないんですけどね、としか言えないんだけどさ。

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