2010年6月19日土曜日

日焼け止めの仕組み

日焼け止め化粧品が紫外線を遮るしくみ

代表的な成分として、次のようなものがある。

○ 紫外線散乱剤 紫外線を反射する。

 ・酸化チタン 
 ・酸化亜鉛

○ 紫外線吸収剤 紫外線を肌の表面で吸収する。

 ・ケイ皮酸誘導体(メトキシケイ皮酸オクチル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルなど)
 ・パラアミノ安息香酸誘導体(ジメチルPABAオクチルなど)
 ・ジベンゾイルメタン誘導体(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなど)
 ・ベンゾフェノン誘導体  (オキシベンゾンなど)

この2種類の成分を組み合わせた化粧品が多くなっている。

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日焼け止め化粧品に表示されている紫外線防止効果の目安には次の2つがある。

(1)Sun Protection Factor (SPF)
紫外線に当たると、皮膚がうっすらと赤くなる。この紅斑はUVBによるもので、この性質をもとにして測定したものがSPFで、2から50までの数値で表され、50+が最高。 
SPF=(日焼け止めクリームを塗った時の紅斑が現れるまでの紫外線量(時間))÷(日焼け止めクリームを塗らなかった時の紅斑が現れるまでの紫外線量(時間))  
日本人の場合は通常、素肌を真夏の日差しの強い時間の紫外線にさらすと、紅斑が現れるまでに15分から25分程度かかるとされる。
SPF15の日焼け止めクリームを塗った場合、紅斑が現れるまでにその15倍の時間、つまり、4時間から6時間かかることになる。
この紅斑が現れるまでの時間の遅れを表した数値がSPF。
SPFは、日焼け止めクリームを1平方cmあたり2mg塗った時の測定結果。これよりも薄く塗った場合は数値どおりの効果が得られない。化粧品に表示されている数値は、あくまでも目安。自動車のカタログ燃費みたいなもの。

(2)Protection Grade of UVA (PA)
PA は、UVAによって肌が黒くなる性質を利用してUVAの防御効果を示したもの。SPFと同じ方法で算出された指標だが、日本化粧品工業会分類では、数値ではなく、「+」記号を使った三段階の記号で示している。 
PA+  :UVA防止効果がある 
PA++ :UVA防止効果がかなりある 
PA+++:UVA防止効果が非常にある

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地上に届く太陽の光には、目に見える光と目に見えない光がある。
目に見える光は「可視光線」といい、虹のように赤から紫までの色を持っている。
目に見えない光には赤外線や紫外線がある。
紫外線はUVAとUVB、UVCの3つに分けることができる。
この3つのうち日焼けの原因になるのはUVAとUVB。
日焼け止め化粧品にはこの2つの紫外線を防ぐ工夫がされており、それぞれUVAを防ぐ効果の目安としてPAが、UVBを防ぐ効果の目安としてSPFが表示されている。

太陽からの紫外線の中でUVBが占める割合は10%に満たないわずかなもの。
しかしUVBは肌に炎症を起こし、色素沈着を起こす原因になる。
繰り返しUVBを浴びると、肌の老化や皮膚がんを誘発するおそれさえある。

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Sun Protection Factor サン プロテクション ファクター
SPFはUVB防止効果の程度を「数値」で表したもので、UVBによって肌が赤くなる性質を利用した測定方法で求めることができる。1992年に日本化粧品工業連合会がその測定方法の基準を定めました。
SPFは2から50までの数値で表される。表示する数値の上限は「50+」。

UVAは肌を黒くするほか、皮膚の奥深くに侵入するので、長期間浴びると肌の老化につながる。

Protekution Grade of UVA  プロテクション グレイド オブ UVA
PAはUVA防止効果の程度を「記号」で表したもので、UVAによって肌が黒くなる性質を利用した測定方法で求めることができる。日本化粧品工業連合会がその測定法の基準を定めましたが、PAはその効果を実感しにくく、長期的な悪影響を数値にすることが難しいため、SPFのように数値化しなかった。
海外には今のところ確立された測定法がない
PA+    → UVA防止効果がある。
PA++   → UVA防止効果がかなりある。
PA+++ → UVA防止効果が非常にある。

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PAとSPFは化粧品を1平方センチメートル当たり2mgずつ皮膚に塗ったときの値。
1平方センチメートル当たり2mgずつの量を塗ろうとすると、肌が白っぽくなってしまうので、実際に使うときは、もっと薄く塗るのが普通。
日焼け止めを塗った後で汗をかいたりタオルで拭いたりすると、紫外線を防止する成分が肌の上でバラバラになり、そのすき間から紫外線が肌に当たるので、日焼け止め化粧品の効果が減ってしまうというが、そんなの仕方ないじゃんか。

ウォータープルーフタイプ(耐水性)の日焼け止めは、石けんやボディーシャンプーでは完全に落とせないので、通常は専用のクレンジングで落とす。でも、特に専用のクレンジングが指定されていなければ、普通のクレンジングを使ってOK。日焼け止めに含まれるのオイルやクリームの成分は、肌に残っていると吹き出物など肌荒れトラブルの原因になる。

UVカット効果のある布製品には、紫外線を反射させる繊維を織り込んでいる。

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日焼けをしたら、スキンケアローションなどで肌の手入れをすることが大切だが、それはあくまで皮膚表面の乾燥や軽度の火傷の処置であって、当たり前だがスキンケアローションに傷ついたDNAを元に戻す効果はない。できたらそれは遺伝子治療になっちゃう。

皮膚の老化防止などには紫外線を防ぐことが重要。
オーストラリアでは、日焼け防止の合言葉として 『Slip! Slop! Slap!』を推奨している。
『Slip on a shirt!  長袖のシャツを着よう  Slop on sunscreen!  日焼け止めクリームを塗ろう  Slap on a hat!  つばの広い帽子をかぶろう』

つまり、

紫外線を通しにくい、しっかりした生地の服を着る。帽子をかぶる。サングラスを使う。日傘を使う。日陰を利用する。日焼け止め化粧品を上手に使う。

という工夫をした上で、直射日光の下での活動をできるだけ控えることが、一番の予防策っていう、ちっとも目新しさのない結論に行き着いたところで終わり。

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