2010年6月2日水曜日

絶妙なボランチと長身CB

まずこの地図を見て欲しい。
これは北京の視点から東の方を見上げた地図だ。
もし沖縄がなかったら、まるで駅前大通りか北京神社への参道かという、広い一本道が太平洋へとつながることになる。
日本への海路は完全に分断され、石油はおろか鉄も小麦もオージービーフも入ってこなくなる。
逆に中国は、西太平洋一帯を自分の庭とすることが可能となる。
無防備となった台湾を『浮沈空母』に改造してしまえば、もう誰も東シナ海に干渉はできない。
そうなったらもう日本などはどうでもいいことになる。ただの貧しい島国程度の意味しかないのだから。
つまり日本のポジションは、近代以前の中世に逆戻り。
遣唐使・遣隋使ならぬ、遣中使を送って、お宝を拝領してくるくらいしか貿易手段がなくなる。
それくらい海洋国家であり島国でもある日本にとって沖縄のポジショニングは絶妙であり重要なのだ。
今後中国が強大化してくるのに比例して、沖縄が日本であること、そしてそこで万全の体勢をとって位置取りしていることが、日本の生命線そのものとなる比重がましてくる。沖縄を失った瞬間に、日本は滅びるのだと言っても良い。
中国とすれば、徐々に沖縄の軍事力を弱体化させてゆき、いつかタイミングを見計らって奪取することを考えている。当たり前だ。それが中国にとっての生命線でもあるのだから。
中国は大陸にあるくせに、周囲を急峻な山脈に囲われているため、陸の孤島のような立地をしている。広い空き地なんだけど、道路に面してないようなものなのだ。よって陸路での大量移動・輸送は、将来にわたって期待できない。
フィリピン、インドネシア、マレーシアに取り囲まれている南シナ海も、平時には有用だが有事には危険すぎる。
だからどうしても、いつかは、沖縄を手に入れたい、と考えている。
天のイタズラか、ただの歴史の偶然か、今沖縄は日本の一部となっている。
このボランチの絶妙なポジショニングのおかげで、試合は日本有利に展開し、勝敗もまだまだ決していないのである。



さてこちらの地図は、「ん? なんだかすっきりしてるなあ」という地図だ。
何かが消えている。
そう朝鮮半島がない地図なのだ。
これを見たらわかる通り、もしも朝鮮半島がなかったら、日本列島は丸裸に近い状態でロシア・ソ連や元・清・中国と対峙していたことになる。
元寇の時代なら、造船操船技術の未熟さによって、この広くなった日本海がプラスに作用したかもしれない。
だがロシアが極東に南下してきた時代には、この広い日本海は巨大な艦隊にとって格好の舞台となったに違いない。
そもそもロシアの極東軍港は、この地図上のウラジオストックではなく、もっと南西に位置していたはずである。
ロシア・中国の国境線ですら、万里の長城よりもはるかに南下した、青島(Qingdao)・済南(Jinan)・黄河あたりになっていた可能性だってゼロではない。むしろそうとうに高い。
日本は満州になど進出できていないし、当然日清・日露戦争なども起きていなかった。なぜなら、そうなるはるか以前の段階で、すでに日本の独立時代は歴史の一部となっており、「ヤーポン族」とか「東夷自治区」などという名称を与えられただけの忘れられた存在に成り下がっていたと考えられるからだ。

これはちょうど、コーナーキックの時、ゴール前の最も危険な場所を、長身のCBがおさえていてくれているようなものだ。
長身CBがどんと構えていてくれるおかげで、決定的なピンチも失点せずにすんだし、また敵も単純な放り込み戦術をとれずに来た。
長身CBであったからそうだったのだが、もしこれが逆に敵側の長身CFだったら…考えるとぞっとする。




前自民党政権と現鳩山政権の沖縄基地問題処理がやたらと非難されているけど、沖縄に基地がどうしても必要なのはアメリカのためじゃなくて日本の未来のためなんだよな。
核保有国であるロシア、中国、北朝鮮、インド、アメリカに囲まれて、今度は中国までが空母艦隊を整備しつつあるっていう、これがもし将棋だったら「負けました」確実な窮地にある我が国日本チームの状況を、もっと具体的に、正確に、日本国民、それが無理なら沖縄県民にだけでも説明して理解してもらうべきだと思う。金で解決なんてどだい無理。金で解決できるなら、世の中どんなに楽で簡単か。
金の価値は、額じゃなくて使い方にあるんだよね。
サッカーのポジショニングと一緒さ。
ただいればいいってもんじゃない。
必要なときに、必要な場所。このどちらかが欠けても、それは意味をなさないだけじゃなくて、かえって味方の足を引っぱることになるんだ。
日本の未来のためには、サッカーのわかる政治家を育てないといけないってことだな。うん。

なんてサッカーにたとえながら、こむずかしい沖縄問題なぞを自分なりに考えてみたけど、やっぱようわからんですなあ。サッカーのことを考えている方が、はるかに楽しいし、ワクワクする。比べものにならない。そうだ。国が全力で、沖縄にサッカー施設を整備したらいいんじゃないかな。世界中の一流どころから少年サッカーチームまでが、そこで無料で合宿やトレーニングできたりするような、圧倒的にハイテクで美しい世界一の施設。ハブ空港と金融センターと自然公園とカジノと先端医療と美女と酒とサッカーを揃えた沖縄、これならすごく楽しいと思うんだけど。
沖縄のことを語ったり考えたりするのに、眉間にしわを寄せたり、こぶしを振り上げたり、怒鳴ったりするのって、らしくないと思うんだよね。笑ったら真剣な話が出来ないってことでもないんだし。もっと笑顔で、行こう沖縄!

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