2010年6月21日月曜日

ところ変われば、評価も変わる

【BMW 5シリーズ 米国価格は日本の半額! 】
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【新型ジェッタ、価格は1万5995ドル(約147万円)から】
http://gazoo.com/NEWS/NewsDetail.aspx?NewsId=fab4e445-064c-4db7-9843-47c1c2eaa1e0

こういうことは知っている人にとっては常識なのだが、知らない人が知ったら裏切られたような気がするものだ。
しかし現実である。日本におけるドイツメーカーブランド(実際の生産国はアフリカや中国だったりするのに)の新車価格設定はめちゃくちゃに高い。

同じ価値のものは、この世にふたつとない。スーパーで並べて売られているスイカでも、ひとつひとつの評価は違っているものだし、それを買う人、つまり評価を下す人が異なれば当然評価も違ってくる。ある人にとって割安なスイカも、隣の人にとっては割高かもしれない。買ってみて、割る前と割った後では、また評価も違ってくる。あれだけ美味しそうに見えていたスイカが、割ってみたら種だらけだったり、鬆(す)が入っていたりした日には、もう腹立たしくさえ思えてくる。
日本で安い給料に甘んじているサッカー選手たちは、モンゴルや東欧から己の資質を高く評価してくれる日本へとやってくる巨デブどものように、サッカー選手への評価が高いヨーロッパを訪れてみてはいかがだろうか。
日本で選手の代理人業をしてる人たちにしても、実際には大したコネクションを持っているわけではない。いまもヨーロッパで頑張っているナルシスト松井選手にしても、少しでもヨーロッパ内でコネクションを持っていそうな人を見つけては、自分で自分を売り込んでいる。いまでも、だ。
日本の代理人が持っているネットワークは、ネット(網)というよりも、それこそスレッド(細糸)と言った方がピッタリするようなものなのだという実情をしれば、あのしょぼい代理人会社の人間の名刺を後生大事に保管するようなアホな行為もしないですむ(接待や付け届けまでするバカもいるって話だ)。
意外と侮れないのが、日本企業のネットワーク。
友人知人にヨーロッパで仕事をしている人がいれば、思い切って相談してみると力を貸してくれる、かもしれない。
あるいはネットを駆使してチームを調べ、自己紹介資料を自作して、何件か送ってみてもいい。
今からおよそ30年ほど前、静岡県清水港周辺では、港とブラジルを往復している貨物船を使ってブラジルへサッカー渡航するブームが起きた。いま、子供たちに人生と夢を語っている邦称『キング!』カズ選手も、確か清水FCに選ばれたことさえないような、体格的にもスピード的にも、技術的にもセンス的にも極ふつうの選手だったのに、それでも自分の意思でブラジルへと渡っていった。お兄さんの方は逆に、静岡サッカー界でエリートだったんだけど、渡らなかった。いや、エリートだったからこそ、そのコースから外れるような選択をする必要がなかったと考えるべきなのか。
当時は他にも大勢の子供たちが、清水からブラジルへと渡っていた。まあだからブームなんだけど。『武蔵、世界へ飛ぶ』なんていう本もベストセラーになったりしてた。数年後彼は帰国し、「ブラジル行ったからってブラジル人みたいなプレーが出来るようになるわけじゃないんだなあ」という当たり前の真実をみんなに教えてくれた。
でも、彼らがブラジル渡ったことは、決して人生の無駄なんかじゃあないと私は思う。失敗でもないし、成功でもない。それが彼らの人生だったってことなんだ。

Jリーグの下部組織に入れなかったからといって泣いているわが子には、高校に入ってからのいつかのタイミングで、ヨーロッパへの短期留学の機会をつくってあげたらどうだろう。3ヶ月から1年弱くらいの期間、交換留学か語学留学でもさせるつもりになって、サッカーと社会勉強、海外体験のために、ヨーロッパのどこかの街へと旅立たせる。
物価の安い国の小さな街へ男子高校生を送り出すのなら、費用だって日本の私立高校へ行かせるのとどっこいどっこいですむ。円高ユーロ安はしばらく続くから、その面でも追い風が吹いている。
簡単には連絡のつかない土地、何かあっても急には助けにいけない土地、でひとり暮らしをすると、短期間でも子供は見違えるほど大人になる。そして金にシビアになって、人生には貪欲になる。コミュニケーション能力も格段に向上する。それは「軽い」というのとは一味も二味も違う「深い」コミュニケーション能力だ。端的に言えば「騙されなくなる」。

日本でエリートコースに乗れなかったのなら、東欧や南欧に旅立ってみるがいい。神様はそのために、君をエリートコースから外したのかもしれない。「ああ、もう落ちこぼれた」と考えるよりも、そう考えた方が人生はずっと楽しくなる。

海外留学を安くすませるコツは、中間業者を極力絡ませないことだ。
愛知や浜松、川口や群馬あたりにうじゃうじゃいる外国人の子供たちは、誰も留学斡旋業者の頼りになんかなっていない。そんな業種業態が存在するのは、世界でも日本とカンコクくらいなものなんだから(出稼ぎ斡旋業者は世界中にいる。品よく言うと、人材派遣業、女衒(ぜげん)、手配師)。

まずは、ヨーロッパ各国の物価と、とりあえずの宿と学校とチームについていくつか調べる。
安い宿、掘り出し物の学校やチームであるほど、ちゃんとしたホームページなんて持ってないのが世界の常識だから、ネットだけじゃなくて図書館や本屋さんも利用する。調査の予算(書籍代)には1万円もかからない。変な塾やサッカースクールへ行かせるよりも、よっぽどいいと思うけど。
とりあえずの目処(めど)を付けたら、子供には、学費のかからない(休学にも甘い。私立は厳しい)県立高校へ進学すること、そしてそれまでの中学の3年間で、その国の日常会話ができるようになること、簡単な食事、家事を自分でできるようになること、を具体的な条件として目標にさせる。(実際に留学するしないは別にして)こういう目標設定ができることだけでも、思春期の子供の成長にとってはすばらしい効果が見込める。
もしかすると、本当にヨーロッパでサッカー選手になってしまうかもしれない可能性だって生まれてくるのだ。
このままエリートコース至上主義の日本にいるよりも、人生ずっと面白くなりそうに思えてきませんか?

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