2010年6月18日金曜日

世界でもっとも恵まれている小学校教員たち

わたしは先日、桶川市内のとある公立小学校の横を通りかかったとき我が目を疑わずにはいられなかった。
校舎裏の職員駐車場に、ジャガーXJ、BMW320、ポルシェボクスター、メルセデスベンツCエレガンスがずらりと並んでいたからだ。
ベンツのC(W204)以外は世代遅れ(いわゆる型落ち)であったので、もし中古市場経由で入手したのなら国産ミニバンの新車ほどの予算で購入は可能ではあるのだが、それにしてもこんな公立小学校職員駐車場なんて、世界広しといえども、絶対に日本でしか見られないだろう。
もちろん一番の理由は、日本の中古車市場で輸入車の価格がべらぼうに安いことにある。特にBMWやジャガーの値落ち率はまさに「悲惨」。7系やZ系は、涙なくしては語れない。ジャガーにいたっては、「昔マツダ地獄、今ジャガー地獄」といわれるくらい、「JtoJ(ジャガーからジャガーへの乗り換え)」じゃないと下取ってさえもらえない、というのは冗談だが、それに近いくらい厳しいことを言われ、キロいくらみたいな下取り価格で泣く泣く判を押すことになったという話を、いく度か(あちこちで、というほどには購入者を知らないので)聞いた。天下のポルシェにしたって、911以外は相当に残念なことになっている。ベンツでも、A、B、E(のハイクラス)、S、そしてクーペ系などは、あまりいい顔をしてもらえない。輸入車の中古車市場でちゃんとした商品として成立しているのは、ベンツのCくらいなものだ。
まあもっとも、これは日本に限ったことではなくて、モータライゼーションが熟した社会では、輸入中古車というものはガタッと安くなるものなのだ(日本でも自動車社会が未発達だったときには、輸入車の中古車は高かった)。中古になっても高い自動車なんて、世界中でフェラーリと日本車だけ。どちらも非常識ってことだね。非常識なブランド性と、非常識な高品質。

それにしたって、公立小学校の駐車場にすらりと並ぶような車じゃあない。
あの場面を写真にとって、ネットに投稿すれば、きっと世界中の注目を集めるに違いない。
本当にそう思う。
それくらい、公立学校の一般教員がポルシェやジャガーに乗ってるなんて、考えられないことなんだから。
環境的に恵まれていると言われる北欧でだって、教職員はボルボ。マツダに乗ってたら羨望の眼差しだ。ちなみに、ヨーロッパ、特に北欧におけるマツダ車のステイタスはベンツをしのぐものがある。BMWなんて足下にもおよばない。(値段も高いんだけど。)それにヨーロッパではなぜかベンツに「高品質」というイメージがない。BMWなんて、昨今じゃあ存在感がなくなってしまって、完全にAudiの方が目立っている。

そんな駐車場も、5時半にはガラガラになる。
おそくまで車があるのは、通信簿の時期と、新学年の時期と、忘年会の時期くらいだ。

(中古車でもいいから)高級(と世間から認識されている)車に、(自分が)乗りたいという願望・欲望は、自分を(現状よりも)現実よりも上のランクに見せたい、という、とても人間らしい自然な感情である。
ただ悲しいかな、自動車は、かつて持っていたようなシグナリング力(「そうである」と外に向かってアピールする効果力)を失ってしまった。十代の若者がスポーツカーに乗らなくなったり、ヤンキーがいかつい車に乗らなくなったのも、それを肌で感じているからだ。いまだに車にシグナリングの幻想を抱いているのは、昭和52年以前に生まれた世代のみなのだ。だからそう遠くない未来に、日本でも韓国車や中国車、インド車がふつうに走り回るようになるだろう。

時代によって左右されないシグナリングとは、己の実績であり、人間関係だけなのだ。
どうか世界一恵まれている日本の公立学校の教職員の皆々様には、どうか車や腕時計、海外旅行歴や装飾品ではなく、「私はこういう人間です」と言える「実績」と、「あの人は、信用できる人ですよ」と知り合いが知り合いに紹介してくれるような人間関係を築くような人生を送って欲しいと思う今日この頃。

今日もまた、女子中学生を買春した中学教師と、女子高校生を痴漢したという小学校教員のニュースが流れた。
教師である自分にプライドを持てないのなら、教師じゃない仕事に就けばいいのに、と、率直に思う。
つうか、サッカーの公認審判になってください。先生方!

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