2010年6月30日水曜日

ブラジルの負ける日

ブラジルは次のオランダに負ける。
PKになって、ロッベンが外すとかいう展開になれば、ブラジルの勝ちもあるかもしれないが、それ以外の展開だとブラジルは負けるしかない。
理由は三つある。
【その1 裏に弱いDFライン】
ブラジルのDFラインは、前へ向かう時には強さを見せるが、裏を取られたときの対処は幼稚園児以下になる。
グループリーグでも、常に裏を狙ってくる郭大世には手こずっていた。一方でラインの手前で足下へのパスをもらおうとするチリの攻撃陣に対しては、大人と子供以上の余裕を持っていいようにインターセプトしていた。
オランダのファンペルシーやカイトといったタイプは、ブラジルDFが最も苦手とするFWだろう。賢いファンペルシーは、それをわかった上で、ファールをさそうようなコースどり、体の使い方、をしてくるはずだ。演技下手でわかりやすい脳みそのルシオあたりは、格好の餌食とされるだろう。

【その2 中距離・長距離の展開についていけない選手たち】
ブラジルは、自分たちではミドルシュートをドンドン打つクセに、自分たちがそれを打たれることへの警戒心は皆無といっていいくらいに緩い。
それに長いパスを使われるとマークが甘くなる。チリ戦では、チリのノーコンさも手伝って途中でインターセプトできたから大事にはいたらなかったが、縦への正確なロングボールをバンバン放り込み、一本のサイドチェンジで局面を大胆に変えてくるオランダのようなチームに対しては、ブラジルのボランチではどうすることもできないだろう。

【その3 意外性のない攻撃陣】
典型的なのがルイス・ファビアーノだ。彼のパターンはひとつしかない。前へ突進してのパワーシュートをニアサイド、これのみだ。他の選手も似たり寄ったりで、そろいもそろって全員が力でゴールをこじ開けようとするシュートイメージの持ち主だ。力で勝負ということになれば、どんくさいオランダのセンターバックでも対処できる。それにここ2年くらいずっと調子の上がらないカカが、ワールドカップに入ってもそのままだということがブラジルにとっての不幸さを増している。調子が上がらないもんだから、それが自らのファールを呼び、更にイライラを募らせている。カカの機能していないいまのブラジルの中盤には怖さが全くない。中盤省略の戦術になってしまっているのは、こうした事情もあるのではないかと私は考えている。
ロッベンとスナイデルがそろう中盤で好き勝ってをされては、ブラジルに勝機はない。
バカルシオを前におびき出してその裏を狙う、このパターンだけで前半2点くらいとられても、私は何の驚きも感じないだろう。
ヅラ汁の弱点は、控え選手層の薄さにもある。切り札となるような、あるいは試合の流れを変えられるような、個性を持った交代選手がいないのだ。良い意味でとらえれば、それは穴がないとも考えられるのだが、追い込まれた展開となったとき、それは手の打ちようがないことにもなる。
世界的なフリーキッカーのいないブラジル代表なんて、これまでなかったのではないだろうか。

対戦相手に退場者が出て一人足りなくなる。こういうことも過去のブラジル戦ではよくあった。
はたしてオランダ戦でもそういうことが起きるのだろうか。
そうでもならない限り、ブラジルの2010年ワールドカップは、次の試合で終了する。

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